プロが教えるエアコンクリーニング業者の選び方

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エアコンクリーニングの繁忙期は毎年5月の下旬から8月にかけてと言われています。冬の暖房シーズンを終えて春はエアコンを使わず、少し暑くなってきた頃に冷房を入れたところ、「なんだかエアコンから出てくる臭いがとてもくさい…」「もしかして故障しているのかカビが生えているのかも」と考えて依頼する方が多い傾向にあります。

エアコンの掃除はフィルターについたホコリを取るぐらいであればプロに頼まずとも自分でできる作業ですが、内部のカビや汚れをきれいに掃除するには分解する必要があり、とても素人には掃除できません。

プロに任せてしっかり掃除をしてもらおうと考え、ネットで検索してみたけれども業者がたくさんあってどこに頼めばいいかわからない、とりあえず安いところで手短に終わらせられるのがいいと思って頼んだところ、追加費用を請求されたり、後から水漏れが発生してしまったり、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。

この記事では悪いエアコンクリーニング業者に騙されないように、費用対効果がバッチリな優良な業者の選び方を教えます。いいエアコンクリーニング業者を選ぶコツは、下記の3つです。

  • 相場よりも安すぎる、施工時間が短すぎる業者は避ける
  • 口コミや評価を調べる
  • ただ頼むだけではなく、施工に関する知識を身につけて質問する

テレワークが普及して以降、年間を通して家庭でエアコンを使う頻度は増加し、エアコンクリーニング業者に掃除を依頼する方も増えています。それに伴ってエアコンクリーニング業者も増え、競争が激化しており、作業実績の少ない業者が安さを売りにして中途半端な施工をする事例も少なくありません。

最近では動画サイトでエアコンクリーニング業者自らがクリーニングの手順などを公開することで掃除を依頼する側の知識もつけやすくなりました。プロの業者だからといって安心せず、しっかり下調べをした上でいい業者と巡り会えるよう、選び方の知識をつけましょう。

【記事作成】おうちにプロ 編集部
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なぜエアコンクリーニングの業者に任せたほうがいいのか

そもそも、なぜエアコンの掃除はクリーニング業者に任せたほうがいいのでしょうか?エアコンクリーニングを依頼する理由はフィルター掃除だけでは防ぎきれないカビの対策や熱交換器や送風ファンといったエアコン内部のパーツの汚れを取り除き、本来の性能を取り戻すためです。

エアコンの特性として、冷房と除湿機能を使うと内部に結露が発生します。結露が発生したエアコン内部はカビの栄養となる水分が豊富にあるため、掃除をしないと知らないうちにカビが繁殖しやすい環境になってしまいます。

エアコン内部で発生したカビは胞子を撒いて繁殖していくため、エアコンをつけたときに風と一緒に、室内にカビが広がったり、カビ独特の異臭を発生させてしまいます。また、カビは人が吸い込んでしまうと、場合によってはアレルギー症状などを引き起こしてしまい、気管支炎など健康に悪影響が出る可能性があります。

こうした厄介なカビの発生を防ぐためにはフィルターの掃除だけでは不十分で、しっかり内部を分解して洗浄する必要があります。また、エアコン内部の熱交換器や送風ファンといった部品に、ホコリなどの汚れが溜まっていくとどんどん冷暖房の効率は悪くなっていきます。そうすると、本来の運転能力を発揮できなくなり、室内の温度を調整する時間がかかってしまうことで電気代の上昇にも繋がります。

そのため、プロのエアコンクリーニング業者にフィルターだけでなく、エアコン内部まで分解洗浄してもらうことがとても重要なのです。

エアコンの分解洗浄は自分ではできない?

プロのエアコンクリーニング業者に頼むのではなく、エアコンの分解洗浄を動画サイトの動画を真似すれば自分でもできるのではないかと考える方もいらっしゃると思います。しかしながら、エアコンの内部構造は非常に複雑な上、どこに汚れが溜まりやすいのかを見分けるのはかんたんではありません。

メーカーによって構造も違ってくるため、蓋を開けてみたら全然動画の通りにはいかなかった、ということもあります。分解はともかく、掃除をした後にもとに戻す取付作業も大変です。

また、自動お掃除機能付きエアコンの場合はさらに構造が複雑になっており、ラジエーターと呼ばれるユニットを外して内部を掃除する必要があります。このユニットを外すためにはカバーやプラグを外す必要があるため、プロの業者でも時間をかけて慎重に作業します。

そのため、掃除の経験がない素人が真似をしてできるかというとエアコンの掃除はとても大変でプロの業者に任せた方がいいのです。

自動お掃除機能付きエアコンでも掃除は必要?

自動お掃除付きエアコンであれば、エアコン内部も掃除してくれるからプロの業者を呼ぶ必要もないのではと疑問に思われるかもしれませんが、自動お掃除機能はあくまでフィルターのホコリなど日常的な汚れを落とす機能であり、カビの発生を完全に予防することはできません。

また、カビが一度発生してしまうと、高圧洗浄機や洗剤などで掃除をしなければきれいになることはありませんので、やはり定期的に人の手で分解して掃除をする必要があります。

優良なエアコンクリーニング業者の選び方

ここからは実際に優良なエアコンクリーニング業者を選ぶコツを詳しく解説していきます。最近ではガスチャージ詐欺と呼ばれる悪質な詐欺行為を働く業者も発生しており、しっかり知識をつけて業者を選びましょう。

1.相場よりも安すぎる、施工時間が短すぎる業者は避ける

エアコンクリーニングの業者を選ぶ前に、おおよその作業相場を知っておきましょう。コロナ禍以降、在宅勤務を選ぶ働き手が増えたことにより、エアコンの使用頻度は増加し、同時にエアコンクリーニングの需要も伸びています。

当然ながらエアコンクリーニングの事業者の数も増えており、競争が激化することで検索サイト上で相場よりも極端に安く価格を提示する業者もいます。経験の浅い、新規参入の業者も早く実績や口コミを獲得したいがために価格を抑える傾向があります。

そうした業者の特徴としては作業時間を短く設定していることがあります。業者にとって1軒あたりの料金を安くしてしまうと、1日に多くの家庭を回らなくては採算が合わずに赤字になってしまうからです。作業時間が短いと丁寧な掃除を受けられず、後からトラブルに見舞われる事もあります。

参考までにエアコンクリーニングの料金相場と作業時間の目安は以下になります。

エアコンクリーニングの料金相場と作業時間の目安

壁掛け型 壁掛け型
(お掃除機能付き)
天井埋込型
料金相場 8,000円〜1万円 1.3万円〜1.9万円 1.8万円〜2.6万円
作業時間 60分〜90分 120分〜180分 120分〜180分

エアコンクリーニング料金が極端に安い場合に気をつけたいことは追加料金やオプション商品の押し売りです。例えば、「冷房の効きが悪くなったのでガスが漏れているかもしれない」という問い合わせをしてしまうと、実は内部洗浄だけで改善するところが、不必要にガスチャージや配管の交換を勧められ、「交換しないとちゃんと冷房が機能しない」と騙されてしまうこともあります。

そもそもエアコンのガス漏れはめったに起こるものではなく、「ガスを追加したほうがよく冷える」という言葉自体も正しくありません。エアコンの冷媒ガスは新規設置以外では継ぎ足ししてはならず、残っているガスを回収して真空引きをした後に新しいガスを正確な規定量で入れ直す必要があります。ガスを継ぎ足して誤って入れすぎてしまうと爆発する恐れもあり大変危険です。

ガス交換が必要かどうかはエアコンを運転した際に冷たい風が全く出ていない時、と覚えておくのがいいでしょう。少しでも冷たい風が出ている、けれども前よりも微量だと感じた場合、それは内部の熱交換器や送風ファン、フィルターなどに汚れが溜まっているためだと考えてクリーニングだけを依頼しましょう。

2.口コミや評価を調べる

良いエアコンクリーニング業者と悪いエアコンクリーニング業者を判断する重要な材料として口コミや評価があります。プロのエアコンクリーニング業者がたくさん掲載されている「おうちにプロ」では利用ユーザーからの口コミや評価が多数掲載されています。また、顔写真付きで掲載している業者も多いため、安心感をもって依頼することができます。

より詳細に業者の評価を探るのであればGoogleで業者名を検索してGoogleの口コミを見るのも良いでしょう。ただし、クリーニング専門サイトはあくまで利用者の口コミである一方で、Googleの口コミは誰でも書き込むことができますので、多くの口コミや評価を見て比較するのがいいでしょう。

3.ただ頼むだけではなく、エアコンクリーニングに関する知識を身につけて質問する

プロに任せるからといって、相手の言うことを100%信頼してしまうと、もしそれが悪いエアコンクリーニング業者だった場合、手玉に取られてしまう恐れがあります。

丁寧に作業をする業者とそうでない業者を見分けるための質問も覚えておくと、料金の費用対効果が見合うものなのかを判断する材料になります。

例えば

作業前の養生は直貼せずにマスキングテープを使うかどうか?

床や天井などに直接養生テープを貼ってしまうと、剥がす際に粘着力が強くて壁紙や床が剥がれてしまうことがあります。

エアコンカバーを外して作業するか

エアコンカバーを外す時間を短縮し、高圧洗浄機を隙間に入れて作業すると、エアコンカバーに水が被ってしまい、後から水漏れが起こる原因になりえます。

お掃除機能付きエアコンの場合、ユニットまで外して内部洗浄を行うか

お掃除機能付きエアコンの分解は専門知識が必要となるうえに、時間のかかる作業になります。これを避けようとしてユニットをそのままの状態で洗浄を行うと、故障する原因になりえます。

部品をバスルームなどで洗浄したあとできちんときれいにしてくれるかどうか

使った後は使う前よりもきれいにしておく、というのは良い業者にとって当たり前のことです。汚れを流してそのままにされると気分も悪くなる上に掃除する手間がかかってとても面倒です。

万が一の際に保険適用はあるかどうか

エアコンは精密機械なので洗浄によって壊れてしまうこともあります。その際、損害賠償をしてくれるかどうかは事前に調べておくと良いでしょう。

事前に業者に伝えておくと喜ばれること

ここまでは依頼者側目線で良い業者の選び方を紹介してきましたが、プロの業者は、依頼者から下記の情報を送ってもらえるととても助かり喜ぶことがあります。

事前の共有によって、作業時間の見積もりもより正確になって、依頼者にとってもメリットとなります。後から追加で費用を発生させないためにも、事前に伝えられそうな情報は伝えておきましょう。

1.エアコンの周りの隙間はどのぐらい空いているか

分解洗浄を行う場合、エアコンの周りに隙間があるかどうかは重要です。隙間がほとんどない場合は現地で試行錯誤しながら部品を外すことになるため、どうしても時間がかかってしまいがちです。エアコンの上部、左右を中心に隙間があるかどうかは事前に伝えておくと良いでしょう。

2.エアコンを正面から見た時に左右どちらに壁があるか

機種にもよりますが、自動お掃除機能付きエアコンの場合、エアコンを正面から見て右側にユニットが付いている事が多く、すぐ隣に壁があるとユニットを外すのに手間と時間がかかります。お掃除機能付きエアコンの場合は特に、型番と一緒に壁がどちらにあるかは伝えておきましょう。

3.エアコンの正面に脚立を立てられるか、テレビや家具がすぐ下に置いていないか

多くの場合、エアコンは天井付近に取り付けられているため、脚立に登って作業を行います。そのため、正面に脚立が立てられるかどうか、テレビや家具をどかす必要があるかどうかも事前に伝えておけるといいでしょう。

【まとめ】優良なエアコンクリーニング業者を見分けるために口コミや評価で比べつつエアコンクリーニングの知識をつけよう

エアコンの内部洗浄は1〜2年に1度はしておきたい掃除です。カビの発生を抑えたり、本来の性能を取り戻すためにも分解して掃除する必要があり、自分で掃除せずにプロのエアコンクリーニング業者を呼んで作業してもらう方がいいでしょう。

ただし業者の中には競争激化によって安く料金を設定し、その分掃除を十分に行わず簡易掃除にとどめてしまったり、または追加で費用を発生させるようなケースも存在します。

本当に満足できるエアコンクリーニング、すなわちきれいな空気を手に入れるためにも費用対効果の高い業者を選べるようになりましょう。改めて、良いエアコンクリーニング業者の選び方をおさらいします。

・お掃除機能付きとそうでないかによって値段と施工時間は異なることを知った上で、相場よりも安すぎる、施工時間が短すぎる業者は避ける。
・口コミや評価はエアコンクリーニングのポータルサイトやGoogleの口コミを見て調べる。
・依頼する側もエアコンクリーニングに関する知識を学び、悪い業者に騙されないように心がける。
・事前にエアコン周りの状況を伝えることで業者との信頼関係を構築して気持ちよく施工してもらう。

エアコンクリーニングの業者を選ぶなら「おうちにプロ」

専門知識を学んでおくことは悪い業者に騙されないためにも予防策として効果的です。だからといって作業している業者さんに上から目線で質問をしたり、クレームをつけるのは返ってトラブルになる危険があります。

大事なことは依頼後にトラブルに遭うのではなく、トラブルそのものを避けるために業者のことをよく調べ、業者としっかりコミュニケーションを取ってお互いに信頼し合って臨むことです。

「おうちにプロ」に掲載されているエアコンクリーニング業者の多くは顔写真を掲載していたり、過去の作業事例を紹介しているところもあります。

また、エアコンクリーニングを依頼したユーザーからの口コミや評価も多数あるため、比較して検討するにはとても便利なサービスです。

エアコン以外にもお風呂やトイレ、キッチンの掃除などをセットで依頼することも可能なので、ぜひ一度お試しください。

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