エアコンにカビが生える原因とは?掃除方法とカビ防止

更新日:

エアコンにもカビが生えることはご存知でしょうか。外見はきれいでも、実はエアコン内部にはカビが繁殖します。もしもエアコンの風が出てくる吹き出し口(ルーバー)にカビを見つけた時には既にエアコン内部の熱交換器や送風ファンなどいたるところにカビが大発生している可能性があり、分解洗浄しなければカビを取り除くことは不可能に近い状態と言っていいでしょう。

しかし、エアコンの内部分解洗浄は素人に簡単にできる掃除ではありません。プロのエアコンクリーニング業者でも60分以上の時間をかけて、養生をしっかりして、部品を壊さないように丁寧に掃除をします。

これからカビの掃除を自分でやってみようと考えている方は、本当に自分で掃除ができますか?初めてエアコンのカビ掃除をする方は、まずはプロのエアコンクリーニング業者を使うことをおすすめします。

それでも自分で掃除をしてみようと考えている場合、絶対にやってはいけないエアコンのカビ掃除として、塩素系漂白剤だけは使ってはいけないことをお伝えします。

なぜエアコンのカビの掃除に塩素系漂白剤を使ってはいけないのかというと、エアコン内部にはたくさんの金属の部品が使われており、そこに塩素系漂白剤を使うと金属が錆びてしまう恐れがあるからです。その他にも塩素系漂白剤のリスクがありますので、そもそものカビの発生原因とともに詳しく解説していきます。

【記事作成】おうちにプロ 編集部
ハウスクリーニングのプロが監修したお掃除や家事の時短アイディアや役立つアイテムをご紹介。毎日の暮らしをちょっと楽しく・ちょっと豊かにする情報を発信中!

エアコンのカビの発生原因

なぜエアコンにはカビが生えてしまうのでしょうか。日頃からエアコンの手入れをしていても、空気中にはカビの胞子が浮遊しており、カビにとっての好条件が整うことで黒カビとなって姿を現します。

黒カビが発生する条件として、例えばお風呂場にカビが発生しやすいのはよく知られていることだと思いますが、それはお風呂場がカビにとって様々な好条件が揃っているからです。その要因の一つが水気です。

一見エアコンにはカビの大好物となる様な水気があるようには見えませんが、冷房を使用した時などにエアコンの中で結露と呼ばれる現象が起きます。

結露とは空気に含まれる水蒸気が飽和水蒸気量を超えてしまった時に水滴となる現象です。飽和水蒸気量とは、空気に含むことができる水蒸気量のことです。この水蒸気量は温度によって変化し、暖かい空気が冷えることで飽和水蒸気量が減って水滴となります。つまり、温度差の大きい状態では結露が発生しやすくなり、エアコン内部に水滴が発生してしまうのです。

エアコン内で結露が発生した場合、通常はエアコン内部のドレンパンという水受け皿に溜まった結露水がドレンホースの配管を通して外に排出されます。そのため、エアコン本体から水滴が漏れてくることは設計上は考えられないのですが、以下の理由でエアコンから水滴が漏れることがあります。

エアコンから水滴が漏れる原因

  • フィルターにホコリが溜まりすぎてしまい、エアコン内部の空気の循環がうまくいかなくなって冷えた空気がエアコン内部に溜まった結果、ルーバー付近で室内の暖かい空気と混ざって結露が生じる
  • ドレンパンに汚れが溜まってしまい、本来排水するはずの結露水を排水できなくなってしまっている
  • ドレンホースがなんらかの理由で機能しなくなり、排水が逆流してしまっている

こうした原因を作らないためにはエアコンを定期的にメンテナンス、掃除することが重要です。

結露以外でエアコンにカビが繁殖する原因とは

結露はわかりやすいカビの繁殖原因の一つですがその他にも以下のような条件下ではカビが繁殖しやすくなります。

エアコンにカビが発生しやすい条件

  • 室内の温度が20〜30℃
  • 湿度70%以上(特に5月から10月)
  • エアコン内部にカビの栄養となるホコリが溜まっている時

気温や湿度に関しては冬以外はカビが繁殖しやすい状況であることが明確にわかります。つまり、カビを気にすることなく普通にエアコンを使っているだけでもエアコンの中にはカビが発生してしまうものなのです。そのため、お風呂場を掃除しなければカビがどんどん繁殖するように、エアコンもまた定期的な掃除が必要ということになります。

エアコンのカビを防止する方法

エアコンのカビを防止する方法は必ずしも掃除だけではありません。エアコンについている機能を使いこなすだけでもカビ対策の効果があります。

冷房を使用した後に送風機能を利用する

冷房を使用した後のエアコンには結露によって水分が残ってしまうことがあります。残ってしまった水分がカビの栄養にならないようにするには、いち早くエアコンの内部を乾燥させることです。

エアコン内部を乾かすための手っ取り早い方法はエアコンの送風機能を使うことです。エアコン内部に風を送り続けることで、水分は簡単に乾きます。概ね30分から2時間程度、冷房運転を使用した直後に送風運転に切り替えておけばカビの対策としてはばっちりです。

内部クリーン運転を利用する

多くのエアコンには標準で内部クリーン運転という機能が付いています。この機能を使えば毎回送風運転を利用せずとも、設定しておけば自動で冷房や除湿運転後に弱暖房運転を行って、エアコン内部を乾燥させて、カビの原因となる水分を乾かすことができます。

ただ、内部クリーン運転は送風機能とは弱暖房運転を行うという点で異なり、部屋の温度が2〜3℃上がったり、湿度が上がることもあります。そのため、せっかく冷房を使って温度を下げたのに部屋の温度を上げてしまっては過ごしにくくなってしまう場合があります。

内部クリーン運転には気温や湿度が上昇するデメリットがあるため、気になる方は内部クリーン運転を自動で運転しないように設定しておくか、外出時など室内に人がいない時に使用するように少し工夫するといいでしょう。

内部クリーン運転はその名称からカビを掃除するような印象を受けるかもしれませんが、カビそのものを掃除する機能ではありません。あくまでカビが繁殖するのを予防する機能ですので、ご注意ください。

フィルターについたホコリをこまめに掃除する

送風運転や内部クリーン運転はエアコンに付いている機能ですが、普段のお手入れでカビ対策することも大切です。それがエアコン内部についているフィルターの掃除です。

エアコンは室内の空気を取り込み、熱交換器によって室内の温度を変える空気を送り出しますが、この時室内のホコリがエアコン内部に溜まらないようにフィルターのネット上の網でホコリを集めます。

ホコリはカビにとって絶好の栄養分になるため、フィルターのホコリを定期的に掃除することはとても重要です。エアコンによっては自動お掃除機能と呼ばれるフィルターについたホコリを自動お掃除ロボットによってエアコン内にあるダストボックス(ゴミ箱)に集める機能が付いた機種もありますが、ダストボックスに溜まったホコリは人力で取り除く必要があるため、いずれにしても掃除は必要となります。

フィルターについたホコリの掃除自体は30分もあればできるものです。掃除頻度の目安としてはエアコンを毎日使っている場合は2週間に1度、そうでない場合でも月に1回は掃除することが理想的です。

1~2年に1度の目安でプロのクリーニング業者に内部分解洗浄を依頼する

フィルターはホコリを内部に溜めないための重要な装置ですが、完全に汚れを予防することはできません。フィルターで集めきれなかったホコリは熱交換器や送風フィンなど様々なエアコン内の部品に付着し、少しずつカビの栄養価となって繁殖を手助けしてしまいます。

こうしたエアコン内部の汚れはフィルターを掃除する時にはわかりづらいもので、定期的に内部の分解して洗浄することが最も効果的です。

しかしエアコンの分解洗浄は素人には難しく、分解や洗浄方法を誤ってしまうとエアコンの故障に繋がってしまいます。

そのため、おすすめの方法としてはプロのエアコンクリーニング業者に1~2年に1度を目安に内部を分解洗浄するためにエアコンクリーニングを依頼することです。経験豊富なプロであればエアコンの汚れが溜まっている場所を的確に掃除してくれますし、洗剤もエアコン掃除に適したものを使うため、カビの予防にも繋がります。時間と手間がかかるため決して安くはありませんが、きれいな空気を保つために活用してみてください。

エアコンにカビが発生してしまった時の対処法

実際にエアコンにカビが発生してしまった場合、見える範囲については自分で簡単に掃除することもできます。よくあるカビの付着場所としては吹き出し口にある風向きルーバー部分です。こうした手で掃除できる部分についてはキッチンペーパーなどに中性洗剤を付着させたもので拭き取ることで汚れを落とすことができます。

また、ルーバーを取り外せる場合には送風ファンを「カビとりすいすい」や「スキマワイパー」といった掃除グッズを使うことで水を使わずに、ある程度の汚れを取ることができます。

カビとりすいすい

Amazonで見る

スキマワイパー

Amazonで見る

エアコン洗浄スプレーはおすすめしません

前面パネルのネジを取り外して熱交換器を掃除をする場合はエアコン洗浄スプレーを吹きかける掃除方法もあります。しかし、エアコン洗浄スプレーは、プロのクリーニング業者の間ではおすすめしない掃除方法として知られています。

エアコン洗浄スプレーは泡の力でカビや汚れを落とすことはできるのですが、泡を水ですすぐ必要があります。業者が使用するような高圧洗浄機等、専門の道具がない場合、霧吹きやペットボトルに溜めた水などで代用することとなります。

エアコン内部に広がった泡をしっかりと洗い流すことができない場合が多く、内部に洗浄剤の成分が残ってしまい、運転した時にニオイが送られてきてしまう可能性があります。それだけではなく、排水のためのドレンホースに汚れが詰まってしまったり、養生に不備があって電装部品にスプレーや水をかけてしまうことで壊れてしまったりとトラブルが少なくありません。

そして、エアコンのカビ掃除で最もやってはいけないことは次にご紹介するカビキラーなどの塩素系漂白剤を使った掃除です。

エアコンのカビ掃除に塩素系漂白剤を使ってはいけません

エアコンのカビを掃除しようとして、専用の洗浄剤がないためにお風呂用のカビキラーや塩素系漂白剤を使用することは、絶対にやめましょう。

塩素系漂白剤はカビにとっては最も効果のある洗剤で、カビの細胞を殺菌し、漂白して汚れを落とすことができます。

ただし、塩素系漂白剤は金属を錆びさせてしまう作用があるため、金属の部品が多いエアコンには絶対に使用してはいけません。

それだけではなく、目線より上の高さにあるエアコンに直接スプレーをすると自分にかかってしまう恐れがあり、目に入ってしまうと失明の恐れもあります。

エアコンのカビを掃除する場合には中性洗剤を使用するか、弱アルカリ性の洗剤で汚れを取り除きましょう。

エアコンのカビを見つけた時点でプロの業者へ依頼する状況

ここまでエアコンのカビを自分でかんたんに掃除する方法をお伝えしてきましたが、そもそもエアコンのカビを見つけてしまった場合は自分で掃除せずにプロの業者へエアコンクリーニングを依頼することがおすすめです。

  • ルーバーなどの目視ですぐに見つかる範囲にカビがあった場合、エアコンの隅々までカビが繁殖している可能性がある
  • 水を使った洗浄は機材を保護するために養生をしっかりする必要があり、プロなら安心して任せられる
  • 万が一壊れてしまった場合も業者が損害保険に加入していれば修理対応してもらえる

こうした理由から、自分で掃除するのではなく、プロに徹底的にカビを取り除いてもらいましょう。

【まとめ】エアコンのカビを見つけたらプロのクリーニング業者に依頼。自分で掃除する場合、塩素系漂白剤は絶対に使用しない!

エアコンにもカビが発生することやその原因とカビ防止についてお伝えしてきました。エアコンのカビ掃除は自分で行わずにプロのエアコンクリーニング業者に掃除を任せるのが最もオススメな方法です。(正直自分でやっても中々キレイになりません...

もしも自分で掃除する場合は塩素系漂白剤だけは絶対に避けましょう。エアコン内部の金属を錆びさせてしまい、故障の原因になる恐れがあるほか、高所での作業は自分に洗剤がかかった時に失明などのリスクが伴います。

改めて、エアコンのカビに関するまとめです。

  • エアコン内部にはカビが発生する。予防策としてフィルターの定期的な掃除や使用後の送風運転、または内部クリーン運転などを活用する。
  • カビが目に見える範囲で姿を現したときにはエアコン内部に繁殖している可能性があり、プロのエアコンクリーニング業者を呼ぶのがおすすめ。
  • 自分でカビの掃除をする場合、エアコン洗浄スプレーはエアコン内部にすすぎ残しをしてしまう恐れがあるため避けた方がいい。また、塩素系漂白剤は金属を錆びさせてしまうため、絶対に使ってはいけない。

エアコンのカビ掃除をプロの洗浄業者に任せるなら「おうちにプロ」で探してみよう

エアコンのカビはフィルターの定期的な掃除や内部クリーン運転などで発生頻度こそ抑えられるものの、完璧な予防は難しいものです。自分で一部分だけカビを掃除できたとしても、そのときには既に別の部分に繁殖が広がっている可能性があり、内部分解洗浄ができるエアコンクリーニングが最もおすすめできる掃除の手段です。

「おうちにプロ」では分解洗浄が難しいとされるお掃除機能付きエアコンの掃除も行えるプロの業者がたくさん掲載されているサイトです。また、実際にエアコンクリーニングを依頼したユーザーからの口コミや評価も多数掲載されているため、はじめてエアコンクリーニングを依頼する方でも比較して検討するにはとても便利なサービスです。

エアコン以外にもお風呂やトイレ、キッチンの掃除などをセットで依頼することも可能なので、ぜひ一度お試しください。

この記事を読んだ方におすすめ

※本ページの内容については、正確な情報を掲載するよう努力しておりますが、情報の完全性、無誤謬性について、当社はいかなる責任も負うものではありません。暮らしのアイディアとして、自己責任のもとでご利用いただけますようお願いいたします。