自宅でのコートの洗い方!洗濯機、手洗いの方法や干し方まで解説

寒い季節に活躍するコートは、シーズンを過ぎればきれいにしてから保管する必要があります。一見汚れていないように感じても、コートには汗や皮脂汚れ、ホコリのようなさまざまな汚れが付着しているため、一度洗ってから保管しましょう。

しかし「コートの洗い方がわからない」「洗ってシワになったり型崩れしたりすることはないの?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、自宅で洗濯できるコートの種類と見分け方、洗濯機・手洗いする場合のコートの洗い方や干し方などを詳しく解説します。コートを洗濯する際のよくある失敗例も紹介しているので、参考にしながら失敗がないように洗濯しましょう。

なかには自宅では洗えず、クリーニングに出した方がよいコートもあるので、しっかりと見分けたうえで洗濯してみてくださいね。
この記事でわかること
  • ・コートは目には見えづらい汗や皮脂汚れ、ホコリや花粉などが付着していることが多いため、定期的な洗濯が必要

  • ・自宅での洗濯方法は、基本的には洗濯機と手洗いの2通り

  • ・水洗い不可のコートはクリーニングに出して、プロにメンテナンスしてもらうことが大切

  • ・目立つ汚れがある場合は、あらかじめ予洗いすると本洗いの際に効率的にきれいにすることが可能

  • ・乾燥機の使用は避けて、風通しのよい日陰でつり干し・平干しをして自然乾燥させるのが基本

  • ・シーズン中に洗濯しない場合でも、シーズン終了後は一度洗ってから保管するのがおすすめ

【記事作成】おうちにプロ 編集部
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コートは定期的な洗濯が必要

コートはあまり頻繁に洗濯する衣類ではありませんが、実は定期的なお手入れが欠かせないアイテムです。外出時に羽織るので、花粉やホコリ、排気ガスや食事の臭い、皮脂汚れなどが付着している場合が多いためです。


ワンシーズンを通して着用している場合、さまざまな汚れが少しずつ蓄積されていきます。

特に襟元や袖口、ポケット周りは汗や皮脂汚れが溜まりやすく、放置すると黄ばみや黒ずみ、悪臭の原因になります。表面に付着した汚れをそのままにすると、生地の繊維が傷みやすくなり、コートの劣化を早める可能性もあるため注意が必要です。

また、洗濯だけではなく日常的なブラッシングや風通しがよい場所での陰干し、消臭スプレーなどでのメンテナンスも大切です。このようなこまめなお手入れを続けることで、コートの風合いや形状を長持ちさせられます。

繊維の奥まで汚れが入り込むことで、生地の風合いや光沢感が失われて、傷みや型崩れのリスクが高まってしまいます。長く愛用するために、定期的なメンテナンスは欠かさないようにしましょう。

コートの種類によっては自宅で洗濯ができる

コートは素材や仕立てによって、自宅で洗濯できるものとクリーニング店に任せた方がよいものに分かれます。すべてのコートが自宅洗いに対応しているわけではないため、まずは洗濯表示を確認しましょう。


基本的に、水洗い可能のマークや手洗い可能のマークがあれば自宅での洗濯が可能ですが、水洗い不可のマークがある場合は家庭での洗濯は避けなければなりません。

自宅で洗濯できる場合が多いコートの種類は、次のとおりです。

  • トレンチコート
  • ダッフルコート
  • モッズコート
  • ウールコート(手洗いが基本) など

上記のようなコートは自宅で洗濯できるケースが多いですが、素材によっては不向きな場合があるため、洗濯表示とあわせて素材も確認しましょう。

たとえば、ポリエステルやナイロン素材のコートは自宅でも洗える場合が多く、型崩れや縮みのリスクが少ないといえます。また、一部のダウンコートも家庭用洗濯機で洗える製品が増えてきました。

しかし、ウールやカシミヤなどの天然素材は水による縮みや型崩れ、風合いの変化が起こりやすく、自宅で洗濯できないこともあるため注意が必要です。

洗濯できると思い込んで自己判断で洗ってしまうと、生地の劣化や型崩れの原因となり、着用できなくなるおそれがあるため気をつけてくださいね。

クリーニングに出した方がよいコートの例

次のようなコートは、自宅での洗濯ではなくクリーニングに出した方がよいでしょう。

  • 洗濯表示に水洗い不可のマークがあるコート
  • 高価なコート
  • 劣化の風合いの変化を避けたいコート など

コートの洗濯表示に「水洗い不可」「ドライクリーニング」のマークが付いている場合は、無理に自宅で洗わずクリーニング店に相談しましょう。

特に、ウールやカシミヤといった天然繊維のコートは型崩れや縮みを起こしやすいため、専門的な技術と設備が整ったクリーニング店でのお手入れがおすすめです。


また、レザーや合成皮革を使用したコートも自宅での洗濯は避けましょう。水に濡れるとシミや色落ち、ひび割れの原因となり、革本来の質感が損なわれる可能性があります。

さらに、刺繍やビーズなどの装飾が施されているコートや芯地がしっかりとした厚手のコートも型崩れのリスクが高く、自宅での洗濯は控えた方がよいといえます。

フォーマル用のコートや高級ブランドのコートは、生地や縫製に特殊な加工が施されていることが多いため、自宅では洗濯せずにクリーニングに出しましょう。

基本的に「長く愛用したい」と思うコートは、自宅での洗濯ではなくクリーニング店に任せるのがおすすめですよ。

自宅でコートを洗濯する際のよくある失敗例

洗濯表示や素材などを確認せずにコートを洗ってしまうと、次のような失敗が生じる可能性があります。

・型崩れが生じる
・コートが縮んでしまう
・シワが生じる

型崩れが生じる

コートを自宅で洗濯する際に起こりやすい失敗のひとつが、型崩れです。コートはほかの衣類と比べて生地が厚く、裏地や肩パッドなどが使われていることが多いため、洗濯に失敗すると型崩れしやすい特徴があります。


特に肩や襟、ポケット周辺は立体的な構造になっていることが多く、洗濯で無理に押しつぶしたり強い脱水をかけたりすると、元のシルエットを損なってしまいます。

また、洗濯機でほかの衣類と一緒に回すことで折り目がつき、ヨレや変形の原因になる可能性もあります。

防止策として、洗濯表示で「手洗い」や「ドライクリーニング」のマークがついている場合は無理に洗濯機で洗わず、やさしく手洗いするかクリーニング店に任せるのがおすすめです。手洗いする場合も、洗濯ネットに入れてやさしく押し洗いしましょう。

洗濯後は、肩幅の合った厚みのあるハンガーにかけて、形を整えてから陰干しすると型崩れを防ぐことが可能ですよ。

コートが縮んでしまう

コートを家庭で洗濯する際の大きな失敗のひとつが、縮みです。特にウールやカシミヤなどの天然素材は、水分や摩擦、急激な温度変化などによって簡単に繊維が収縮してしまいます。


縮むとコート全体が一回り小さくなり、着心地が悪くなるだけではなく見た目も大きく変わってしまうことがあります。

縮みを防ぐために、まずは洗濯表示を必ず確認して「水洗い不可」「ドライクリーニング」の表示があれば、自宅で洗濯してはいけません。 

水洗い可能な場合でも、30度以下のぬるま湯を使ってやさしく押し洗いするのが基本です。揉み洗いやこすり洗いは、繊維を傷めるため避けましょう。また、洗剤は「ウール対応」「おしゃれ着用」などの中性洗剤を使用し、アルカリ性洗剤や漂白剤は使わないように注意してください。

乾燥機を使用すると大きく縮んでしまう可能性があるため、干す際は陰干しでの自然乾燥が基本ですよ。

シワが生じる

コートを洗う際に、シワも生じやすいため注意しましょう。特に綿や麻などの素材を使ったコートはシワになりやすく、ウールやカシミヤなども乾燥時の扱いを誤るとシワの原因となります。


ほかにも、洗濯中に衣類同士が絡んだり、脱水後に放置されたりすることで折りジワが付き、そのまま乾くと取れにくくなってしまいます。

また、脱水のかけすぎや乾燥機の熱風も、生地を縮めてシワを生じさせる原因となるため気をつけましょう。

シワを防ぐためには、脱水後にすぐコートを取り出して形を整えることが大切です。放置時間が長くなるほどシワが取りづらくなるため、肩幅に合った厚手のハンガーを使い、襟や肩、袖や裾の形を丁寧に整えてから陰干ししましょう。

アイロンが可能なコートは、アイロンがけをすることでシワを改善できますよ。

洗濯機を使用する場合のコートの洗い方

自宅の洗濯機でコートを洗う場合は、次の手順で作業を進めましょう。

1、洗濯表示を確認する
2、汚れが目立つ場合は予洗いをする
3、洗濯ネットに入れて投入し、洗濯コースを選ぶ
4、洗い終わったらすぐに洗濯機から取り出す

1、洗濯表示を確認する

繰り返しになりますが、コートを洗濯する前に必ず洗濯表示を確認しましょう。素材や加工方法によって、洗濯機での洗濯が可能なものと不可なものがあるためです。

特にウールやカシミヤなどを使って仕立てられたコートは、自宅での水洗いは不可と指定されている場合が多く、誤って洗濯すると縮みや型崩れが起きる可能性があります。


一方で、ポリエステルやナイロン素材のコートは水洗い可能の表示が付いていることもあり、自宅で洗濯できるケースが多いといえます。水洗いできるものでも、「手洗い指定」のものや「使用する水の温度」が定められていることもあるため、入念なチェックが必要です。

たとえば、洗濯桶の水の中に手を入れているマークがあれば、手洗いで洗うべきコートです。洗濯機で洗うと、型崩れや縮みなどが発生しやすいため気をつけましょう。

洗濯表示を無視すると、コートの品質や風合いが損なわれるリスクがあるため、確認作業は欠かせません。

「水洗い可能」となっている場合でも、自宅で洗うのが不安な場合はクリーニングに出してくださいね。無理に自宅で洗う必要はありません。

2、汚れが目立つ場合は予洗いをする

コートは、着用中に袖口や襟元、ポケット周辺などに汚れが付着しやすくなります。目立つ汚れがあれば、洗濯機に入れる前に予洗いを行うことで、汚れがしっかり落ちやすくなり全体の仕上がりも向上します。


具体的には、洗濯用の中性洗剤やおしゃれ着用洗剤を薄めた液を汚れ部分に塗布して、指や柔らかいスポンジなどで軽く叩くようにして汚れを浮かせてみてください。

こすったり揉んだりすると生地を傷めるおそれがあるため、必ずやさしい力で軽く叩くようにしましょう。襟元の皮脂汚れや袖口の黒ずみには、酸素系漂白剤を使用すると落としやすくなりますが、素材によっては変色や傷みの原因になるため、目立たない部分で試すのが安全です。

泥汚れや食べこぼしなどのシミは、洗剤を染み込ませた布で軽く叩くと落としやすくなるでしょう。

目立つ汚れを予洗いせずに洗濯すると、きれいに落とせないことがあります。特に黒ずみやシミなどは、事前に予洗いである程度きれいにしておきましょう。

3、洗濯ネットに入れて投入し、洗濯コースを選ぶ

コートを洗濯機で洗う際は、コートが入る大きさの洗濯ネットに入れて洗うのが基本です。洗濯ネットに入れることで、生地同士の摩擦や絡まりを防ぎ、表面の毛羽立ちや型崩れのリスクを減らせます。

洗濯ネットに入れる際は、できるだけ平らに畳んで重なりやねじれがないように整えると、ムラなく洗えます。ファスナーやボタンは閉じて、ベルトなどの付属品は取り外して別に洗うか、洗濯しないようにしましょう。


洗濯コースは「手洗いコース」や「おしゃれ着コース」など、弱水流でやさしく洗うコースを選んでください。通常の洗濯コースは、強い水流によって型崩れや生地の傷みが生じる可能性があるため、避けた方が無難です。

また、これらのコースは脱水時間も短めに設定されているので、型崩れやシワなども防げます。

なお、温水で洗える洗濯機であっても、熱による傷みを防ぐために基本的には30度以下のぬるま湯で洗うのがおすすめです。洗濯表示に水温の推奨設定温度が記載されているため、あらかじめ確認しておきましょう。

デリケートなものを洗えるコースを選ぶことで、コートの素材や形状を守りながら、汚れだけをしっかりと落とすことができますよ。

4、洗い終わったらすぐに洗濯機から取り出す

コートの洗濯が終了したら、必ずすぐに洗濯機から取り出しましょう。

洗濯槽内に長時間放置すると、湿気がこもって生乾き臭やカビの原因になります。また、濡れた状態で放置することで重みで型崩れを起こしたり、シワが固定されてしまったりするおそれもあります。


洗濯機から取り出したらすぐに形を整えて、シワを軽く伸ばしてから陰干しまたは室内干しの準備をしましょう。

脱水を短時間で行っている場合でも水分が多く残っているため、取り出す際は床やほかの衣類が濡れないように注意が必要です。ハンガーに吊るす場合は、型崩れ防止用の厚みのあるハンガーを使用しましょう。

なお、乾燥機の使用は縮みや劣化を引き起こしやすいため、洗濯表示で許可されている場合を除いて避けた方がよいといえます。

このような一連のケアを怠ると、コートの寿命を大幅に縮めてしまうため、洗濯直後の対応は特に重要ですよ。

手洗いする場合のコートの洗い方

洗濯機の使用せずに手洗いでコートを洗う場合は、次の手順で洗濯します。

1、洗濯表示を確認する
2、汚れが目立つ場合は予洗いをする
3、洗面器などに洗剤を溶かして洗浄液を作る
4、やさしく押し洗いして十分にすすぐ
5、やさしく脱水する

1、洗濯表示を確認する

まずは、洗濯機で洗う場合と同じく洗濯表示を必ず確認しましょう。基本的には「水洗い可能」「手洗い可能」のマークがあれば、自宅で手洗いが行えます。


手洗いの可否は、洗濯桶の水の中に手を入れているマークがあるかを確認しましょう。万が一「×印」がある場合は、手洗いができません。

「水洗い不可」で「ドライクリーニングのみ」の表示がある場合は、水洗いによって生地の縮みや型崩れ、色落ちが生じる可能性があるため、無理に手洗いせずにクリーニングに出すのが安全です。

特にレザーのコートは自宅では洗えないことが多いため、クリーニング店にお任せしましょう。

2、汚れが目立つ場合は予洗いをする

襟元や袖口、裾などの肌に触れやすい部分は、皮脂汚れや黒ずみが目立つことがあるため、気になる汚れがある際は手洗いする前に予洗いを行いましょう。

30度程度のぬるま湯に、中性洗剤やおしゃれ着用の洗剤などを溶かして、汚れ部分にやさしく押し当てるようにして洗剤液を染み込ませます。その後、指の腹や柔らかいブラシ・スポンジなどで軽くなでるようにして、汚れを浮かせるのがポイントです。


力を入れすぎると、生地を傷めるため注意しましょう。特にウールやカシミヤ素材は摩擦に弱いため、こすり洗いは避けてください。

シミや泥はねなどの頑固な汚れは、汚れた部分に直接洗剤を原液のまま付ける洗浄方法もおすすめです。しかし、素材によっては色落ちやシミの原因になるため、目立たない場所でテストをしてから原液を付けてみてください。

予洗いをしておくと、手洗いする際の汚れを落とす手間が省けるうえに、きれいに汚れを落とせます。

3、洗面器などに洗剤を溶かして洗浄液を作る

予洗いが終わったら、本洗いの準備として洗浄液を作ります。洗面器や浴室のバスタブに、30度程度のぬるま湯を張って中性洗剤を溶かしてみてください。

中性洗剤を選ぶ理由は、コートの生地の傷みや色落ちを防ぎ、型崩れしにくいためです。ウールやカシミヤ素材には、ウール専用洗剤を使うとより安心といえます。


洗剤は、必ず規定量を守りましょう。濃すぎると、すすぎ残しや繊維へのダメージの原因になるため注意が必要です。

洗浄液が均一に混ざったら、コート全体がしっかりと浸かるように広げて入れます。コートを押し沈める際には、できるだけ生地に負担をかけないように両手でそっと押し込むのがコツです。

水温が高すぎると縮みの原因になるため、設定温度には特に気をつけましょう。

コートを無理に揉んだりねじったりすると型崩れやシワの原因となるため、やさしく沈めて洗浄液を行き渡らせることを意識しましょう。

4、やさしく押し洗いして十分にすすぐ

洗浄液に浸したコートは、やさしく押し洗いをします。両手でコート全体を軽く押し沈めるようにしながら、汚れを溶かし出しましょう。

型崩れやシワを防ぐため、絶対に揉んだり擦ったり、ねじったりしないように注意が必要です。


特にウールやカシミヤなどは摩擦に弱く、強い力が加わると繊維がフェルト化して、毛羽立ったり縮んだりしてしまうおそれがあります。

押し洗いして十分に汚れを落とせたら、洗浄液を捨てて新しい水に取り替えて、すすぎを行います。すすぎも押し洗いと同様に、やさしく押して洗剤を流し出す方法が基本です。

2〜3回程度は水を替えてすすぎ行い、洗剤の成分をしっかりと落とすことで、仕上がりのゴワつきを防げます。すすぎ残しがあると黄ばみやシミ、嫌な臭いの原因になるため気をつけましょう。

すすぎの際も水温は30度前後のぬるま湯に保って、急激な温度変化で繊維が縮まないように注意してくださいね。

5、やさしく脱水する

すすぎは、洗濯機を使用するのではなく手で行います。両手でコート全体をやさしく持ち上げて、軽く押して水分を切るようにしましょう。

そのあとは大きめのバスタオルでコート全体を包み込んで、タオルに水分を吸わせながら軽く押さえて脱水します。


ゴシゴシと強くこすったり絞ったりすると、生地にダメージを与えるだけではなく形が崩れる原因になるため避けましょう。

タオル脱水は、時間をかけて行うことで余分な水分を効率よく取り除けるでしょう。脱水後は、できるだけ早めに陰干しして自然乾燥させることで、カビや嫌な臭いの発生を防止します。

洗濯終了後にコートの形を整えておくと、乾燥後の型崩れや変形を抑えられるようになりますよ。

コートの正しい干し方

コートを自宅で洗ったあとは、基本的に自然乾燥で乾かします。自然乾燥させるときは風通しのよい場所で陰干しを行いますが、その際は次の2つの干し方で乾燥させるのがおすすめです。

なお、つり干し可能な場合は「四角形の中に縦線1本」のマーク、平干しが可能な場合は「四角形の中に横線1本」のマークが表示されているため確認しましょう。

つり干し

コートの干し方として最も一般的なのが、つり干しです。つり干しを行う場合は、型崩れやシワを防ぐために、必ず厚みのあるハンガーを使用しましょう。

特に、肩幅に合ったコート専用のハンガーを選ぶことで、肩部分のへこみや変形を防げます。


細いワイヤーハンガーやプラスチック製の薄手のものは、コートの重さに耐えられず型崩れの原因となるため避けましょう。

つり干しの際は、まずは洗濯後にしっかりと形を整えることが大切です。襟元や袖口、ポケットなどの形を整えて、乾燥時に不自然な折れ目やシワができないように気をつけます。

実際に干す際は、直射日光が当たる場所ではなく陰干しで乾燥させましょう。風通しのよい日陰で干すことで、生地の変色や劣化を防げます。また、屋内で干す場合はサーキュレーターや扇風機を活用して空気を循環させると、乾燥ムラを防げるでしょう。

つり干しが正しくできれば、コート本来の立体的なシルエットを美しく保つことが可能ですよ。

平干し

デリケートな素材のコートや重量のあるコートなどは、平干しが適しています。平干しとは、コート全体を水平な状態に広げて乾燥させる方法で、素材への負担を軽減して型崩れや伸びを防止する効果が期待できます。


特に、ウールやカシミヤなどの素材やニット地のコートは、水を含むと重くなりがちでつり干しでは裾や肩部分が伸びてしまうリスクがあるため、平干しがおすすめです。

平干しの際は、洗濯後のコートの水気をしっかりとタオルで吸い取っておくことが大切です。次に、平らな通気性のよい場所に洗濯ネットやバスタオルを敷き、その上にコートを形を整えながら広げます。

直射日光の当たらない場所かつ空気が流れる環境を選ぶことで、カビや嫌な臭いの発生を防げます。

乾燥させる際は、扇風機や除湿機の併用も効果的ですよ。

コートを洗うおすすめの頻度

コートは日常的に着用するアウターでありながら、自宅での洗濯頻度がほかの衣類に比べて少ない傾向にあります。

しかし、シーズン中に数回またはシーズン終了後に一度、クリーニングや洗濯でしっかりとメンテナンスを行うのが理想です。ただし、洗う頻度は「着用環境」「汚れ具合」「素材の種類」によって異なります。


たとえば、屋外での着用時間が長い場合や、公共交通機関を多く利用する場合は、外気中のホコリや排気ガス、花粉のほか汗や皮脂などの汚れがコートに付着しやすくなります。この場合は、シーズン途中でも一度はお手入れをするのが望ましいでしょう。

一方で、目立つ汚れがなくても長期間着用したコートには汗や皮脂汚れが蓄積されており、そのまま保管すると黄ばみや変色、嫌な臭いの原因となる可能性があります。

そのため、シーズン終了時には必ず洗濯やクリーニングを行い、清潔な状態で次のシーズンまで保管することが大切です。

自宅で洗うのが難しいと感じる場合は、クリーニングに出してくださいね。

必要に応じてアイロンがけを行うのもおすすめ

コートは表地が厚手でシワになりにくい素材が使われることが多いものの、洗濯や保管中にできた軽いシワや折り目が気になる場合は、アイロンがけを行うことで美しい状態を保てます。

ただし、「アイロン可能」の洗濯表示がなければ、アイロンがけを行うのは避けましょう。無理にアイロンをかけると、生地のテカリや縮み、変形の原因になります。


洗濯表示の中にアイロンのマークがあり、「・・・」や「・・」などの表記があればアイロンが可能です。しかし、アイロンマークに「×印」がついているものは、アイロンができません。

「・・・」は200度程度の高温、「・・」は150度程度の中温、「・」は110度程度の低温に対応しています。アイロンできるコートでも当て布を使用して、強く抑えないようにしながらやさしくアイロンをかけると繊維の傷みを予防可能です。

特に襟元やポケット周り、袖口など、目立つ部分は軽くアイロンがけをすると仕上がりがよくなります。

たとえ高温でのアイロンに対応している場合でも、少し低めの温度設定にしておくとより安心ですよ。

コートの洗い方に関するよくある質問

Q

ポリエステルのコートの洗い方

A

ポリエステル素材のコートは、自宅で洗濯できる場合が多いですが、万が一に備えて必ず洗濯表示の確認が必要です。水洗い可能なコートのみ自宅で洗いましょう。洗濯機で洗う場合は、「手洗いコース」や「おしゃれ着コース」などのやさしいコースを選び、洗濯ネットに入れることで型崩れや摩擦による傷みを防ぎます。中性洗剤を使用して脱水は短時間にとどめ、洗濯後はすぐに取り出して形を整えながら陰干ししましょう。心配な場合は手洗いするか、クリーニングに出すのがおすすめです。



Q

ウールのコートは洗濯機で洗える?

A

ウールのコートは、基本的に洗濯機で洗うのは避けた方がよいといえます。基本的に自宅での洗濯には向いておらず、特に洗濯機での洗濯は型崩れや縮み、風合いの変化を招くおそれがあります。洗濯表示で「水洗い不可」「手洗い不可」となっている場合は、クリーニング店に依頼しましょう。ただし、「手洗い可」と表示があれば、中性洗剤でやさしく押し洗いして短時間の脱水のあとに形を整えて、最後に陰干ししてみてください。



Q

コートの襟汚れはきれいに落とせる?

A

コートの襟は皮脂や汗が付着しやすく、黒ずみや黄ばみの原因になります。水洗いできるコートで襟汚れをきれいに落とすには、洗濯前に予洗いを行うのが効果的です。中性洗剤を汚れ部分に塗布して、指の腹ややわらかいブラシなどでやさしく叩くようにして汚れを浮かせます。落ちにくい場合は酸素系漂白剤を薄めた液でつけ置きしてから洗う方法もありますが、色落ちのリスクがあるため目立たない箇所で試してから行うと安心です。水洗いできないコートの襟汚れは、クリーニングに出してケアしましょう。

【まとめ】コートは正しい洗い方で失敗を防ごう

コートは一見すると汚れていないように見えても、ほかの衣類に比べて洗濯頻度が少ないため汗や皮脂汚れ、ホコリや花粉などさまざまな汚れが蓄積されています。食事の臭いや排気ガスの臭いも付きやすく、定期的なお手入れが欠かせません。

「洗うのであれば自宅で洗濯したい」と考える方も多いかもしれませんが、すべてのコートが自宅で洗えるわけではない点に注意が必要です。基本的に「水洗い可能」「手洗い可能」の洗濯表示がない場合は、クリーニングに出しましょう。

洗濯機・手洗いのどちらの場合でも、目立つ汚れがある場合は予洗いであらかじめきれいにしておくことが大切です。洗濯後はつり干しもしくは平干しをして、風通しのよい日陰に干して自然乾燥させてください。

シーズン中は洗濯しない場合でも、シーズンを過ぎれば一度は洗ってメンテナンスしてみてくださいね。

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