仏壇の処分方法は?費用相場や注意点、位牌の扱いも紹介

両親が亡くなり実家が空き家となった場合は、遺品整理を行う必要があります。その際に、実家に仏壇がある場合は親族が引き継ぐのが一般的ですが、さまざまな事情により引き継ぎが難しいときは処分することが可能です。

しかし、処分するにあたり「仏壇を処分するのには抵抗がある」「どのように処分したらよいのかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

仏壇を処分する際は、供養しながら正しく処分を行えば故人をないがしろにすることなく手放せます。ただし、親族間のトラブルに発展したり後悔したりすることがないよう、適切に手順を踏んで処分しましょう。

本記事では、仏壇を処分する主な方法と費用相場、処分する際の流れなどを詳しく解説します。仏壇を処分する前に行っておくべきことや注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

仏壇の処分には主に5つの方法があるので、ご自身に合った方法を選んでみてくださいね。
この記事でわかること
  • ・仏壇は菩提寺や仏具店、遺品整理業者などに依頼して、閉眼供養を行ったうえで処分するのが一般的

  • ・自身で閉眼供養を行う僧侶を見つけた場合は、供養後に自治体の粗大ゴミ回収や不用品回収業者に依頼することも可能

  • 処分前に親族間で話し合い、全員から理解を得ることが大切

  • ・仏壇の中にある隠れた引き出しに注意して、位牌や遺影、遺言書など大切なものはすべて取り出したうえで処分する

  • ・位牌は自宅で供養を続けることができるほか、お寺で永代供養やお焚き上げを依頼して処分することも可能
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仏壇の処分が必要なタイミングとは

仏壇を引き継がない場合、処分が必要になるのは主に次のようなタイミングです。

  • 両親が亡くなったタイミング
  • 実家を売却するタイミング
  • 永代供養を依頼するタイミング

特に多いのが、両親が亡くなったタイミングです。基本的には両親が亡くなったあとは子が仏壇を引き継ぐケースが多いですが、仏壇が大きすぎて自宅に納めきれない場合や、さまざまな事情から引き継げないことがあります。


仏壇が大きすぎる場合は、コンパクトなものに買い換える方も多いです。買い替えの際も、古い仏壇は処分が必要になります。

ほかにも、実家を売却する場合は家財を片付けなければなりませんが、その際も仏壇を引き継げないときは処分を行います。また、自身に跡取りがおらず仏壇を守ることができない場合は、お寺に永代供養を依頼するのが一般的です。

永代供養を依頼する際は位牌をお寺に預けたうえで、仏壇を処分する必要があります。

仏壇を引き継ぐ場合でも、大きな仏壇からコンパクトな仏壇に引っ越しをして、古い仏壇を処分する方も多いです。いずれの場合でも適切な方法で処分すれば、問題なく手放せますよ。
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仏壇を処分する主な方法と費用相場

適切に仏壇を処分するには、次の5つの方法がおすすめです。それぞれの概要と費用相場を詳しく見ていきましょう。

・菩提寺へ依頼する
・仏具店に依頼する
・各自治体の粗大ゴミ回収を依頼する
・遺品整理業者に依頼する
・不用品回収業者に依頼する

菩提寺へ依頼する

菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺を指します。先祖代々にわたり古くからお付き合いがある場合が多いため、仏壇の処分についても親身に相談に乗ってもらえるでしょう。


仏壇の買い替えによる処分の場合も、古い仏壇は適切に処分してもらうことが可能です。

また菩提寺であれば、宗派によって異なる仏壇の処分方法の違いを気にせず依頼できる点もメリットです。それぞれの宗派に応じた適切な方法で処分してもらえます。

菩提寺に依頼する場合は、お布施として費用を納める必要があります。処分にかかる費用はお寺によって異なりますが、一般的には10,000円〜100,000円以内に収まることが多いでしょう。

処分方法は自身で菩提寺に持ち込むか、自宅まで引き取りに来てもらうかの2つです。自宅まで引き取りに来てもらう場合、費用がやや高くなるケースがあります。自身で持ち込む場合は、大きな仏壇であれば負担も増える点に注意しましょう。

仏具店に依頼する

仏具店に仏壇の処分を依頼できるケースもあります。特に新しい仏壇へ買い替える場合は、古い仏壇は仏具店が引き取ってくれることが多いでしょう。


仏具店での仏壇の引き取りは、一般的には20,000円〜70,000円程度で依頼できます。

ただし、上記の金額は新しい仏壇へ買い替える場合の引き取り金額です。仏壇を買い替えることなく、処分だけを依頼する場合は費用が高くなる可能性がある点に注意しましょう。

また、仏壇の引き取りのみには対応していない仏具店もあるため、事前に引き取りのみを依頼できるかの確認が必要です。

仏具店に依頼する場合も、基本的にはきちんと供養を行ってから処分してもらえます。念のため、事前に供養方法の確認も行っておくとよいでしょう。
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各自治体の粗大ゴミ回収を依頼する

仏壇は、各自治体の粗大ゴミ回収でも処分できます。費用は自治体によって異なりますが、基本的にはサイズが大きければ大きいほど処分費用も高くなります。

一例として、各自治体の粗大ゴミ回収における仏壇の処分費用は次のとおりです。

地域 費用
東京都渋谷区 900円(幅及び高さの合計が135cm以上、180cm以下のもの)
大阪府大阪市 1000円
愛知県名古屋市 1000円
福岡県福岡市 500円(高さ1m以上・横幅1m未満・燃える素材のもの)
神奈川県横浜市 1000円

基本的には1,000円以下のリーズナブルな価格で処分できる場合が多く、ほかの依頼先に比べて安く抑えられるといえます。ただし自治体の粗大ゴミ回収は、指定された集積所まで自身で仏壇を運び出さなければならないことが注意点です。

また、供養に関しても自治体では行ってもらえないため、自身で供養の依頼先を探して別で依頼する必要があります。

比較的手間がかかるといえますが、費用を抑えて処分したい場合におすすめですよ。

出典:粗大ごみ 処理手数料一覧 渋谷区

出典:粗大ごみ処理手数料一覧表 大阪市

出典:粗大ごみ手数料のめやす 名古屋市

出典:粗大ごみ受付品目一覧 福岡市

出典:粗大ごみ 横浜市

遺品整理業者に依頼する

両親が亡くなった際に、仏壇を含むすべての遺品を整理してもらいたい場合におすすめなのが、遺品整理業者への依頼です。遺品整理業者の場合は、仏壇の運搬から供養、お焚き上げまですべて任せられることがあります。


供養やお焚き上げについては業者によって対応方法が違うため、依頼前に必ず確認しておきましょう。

遺品整理業者への依頼費用は、自宅の間取りによって大きく異なります。たとえば、仏間の遺品整理だけを頼む場合は30,000円〜80,000円程度の費用で収まる場合が多いでしょう。

もし遺品整理業者が遺品の買取に対応している場合は、不用品を売却すればその分の費用を依頼費用に充てることが可能です。処分を検討しているもので不要なものがあれば、積極的に買取を依頼してみてください。

遺品整理業者に依頼すれば、仏壇の処分を含むすべての遺品整理を行ってもらえるため、忙しい方や遺品整理が精神的に辛い方などにおすすめですよ。

不用品回収業者に依頼する

不用品回収業者は、家具や家電のほかに仏壇の回収にも対応しています。引っ越しにともなう仏壇の買い替え時や、遺品整理で仏壇以外のものも併せて処分したい場合などに適している方法です。


不用品回収業者は回収を主な業務としているため、供養には対応していない場合が多いです。そのため、自身で供養を行ってから回収を依頼する必要があります。

一般的な費用相場は、10,000円〜30,000円程度です。多くの不用品回収業者は、トラック1台に不用品を積み放題で処分できるプランも提供しており、不用品が大量にある場合は仏壇と併せてまとめて回収してもらうとお得に依頼できるでしょう。

業者によって費用に大きな差があるため、事前に必ず複数の業者で相見積もりを取ってから依頼してみてくださいね。
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仏壇を処分する前に行っておくべきこと

仏壇は幅広い方法で処分が可能ですが、ご先祖様が祀られているため、何もせずにそのまま処分することは避けましょう。処分する前に、以下の2つのことを行ってから手放すようにしてみてください。

・閉眼供養を行う
・仏壇処分後の供養の方法を検討する

閉眼供養を行う

閉眼供養とは、仏壇じまいをする際に行われる儀式です。僧侶を招いて読経や作法を行いながら仏壇に宿っている魂を抜き、仏壇をただの入れ物に戻します。

閉眼供養は、仏壇の引っ越しをする際や墓じまいをする際などにも行われます。


別名「魂抜き」とも呼ばれ、ご先祖様への感謝の気持ちを表すための大切な儀式です。閉眼供養を行っていない仏壇は、引き取りを拒否するお寺や業者もあるため注意しましょう。

閉眼供養は、菩提寺や仏具店などに依頼することが可能です。仏壇の引き取りを依頼すれば、引き取りと同時に閉眼供養まで行ってもらえるでしょう。しかし、自治体の粗大ゴミ回収や不用品回収業者などに依頼する場合は、自身で閉眼供養のみを菩提寺や仏具店などに依頼する必要があります。

閉眼供養のみを依頼する場合のお布施は、一般的に30,000円〜100,000円程度になることが多いです。

宗派によっては考え方の違いから閉眼供養は行わず、別の似たような儀式を行ってから処分が必要な場合もあります。自身の宗派に応じた供養を行い、処分を進めてみてくださいね。

仏壇処分後の供養の方法を検討する

供養は亡くなった故人の冥福を祈る行為であるため、仏壇の処分後も行った方がよいとされています。一般的には、仏壇の中にある位牌をお寺に預けて、永代供養を依頼する方が多いでしょう。

ほかにも近年で注目を集めているのが、身近な場所で故人を供養する「手元供養」です。手元供養とは、故人の遺骨の一部を骨壷やアクセサリーなどに入れて保管し、故人を偲びながら供養する新しい供養方法です。


墓じまいをしたり、自宅に仏壇を置けなかったりする場合などに選択されることが多く、自身に合った方法で供養できます。

身近な場所でいつでも供養できるため、故人を身近に感じて安心するような気持ちになるというメリットもあります。手元供養を行う場合は必ず親族間で話し合い、理解を得てから行ううにしましょう。

どのような供養方法を行う場合でも、まずは親族間で話し合ってトラブルにならないようにすることが大切ですよ。
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仏壇を処分する際の注意点

仏壇を処分する前に、次のような点に注意しましょう。

・必ず親族の了承を得る
・仏壇の中に忘れ物がないかを確認する
・処分する際も仏壇を丁寧に扱う
・処分前に菩提寺に相談してみる
・宗派による処分方法の違いに注意する

必ず親族の了承を得る

仏壇の処分は、自身だけではなく家族や親戚などにも関係する事柄です。なかには仏壇を今後も大切に扱っていきたいと考える親族がいる場合もあるため、処分を決定する前に必ず親族間で話し合い、了承を得るようにしましょう。


仏壇の処分後にトラブルに発展しても、処分された仏壇は取り戻せないため注意が必要です。

親族間で話し合う際は、なぜ仏壇を処分したいのか、どのような方法で処分を検討しているのかを伝えましょう。そして仏壇の中にある位牌の扱いや、仏壇処分後の供養の仕方についても説明が必要です。

理解を得られた際は、閉眼供養の日程を親族間で決めてできる限り全員で出席すると、遺恨なく仏壇の処分を進められるでしょう。

仏壇は親族の心のよりどころであるケースも多いので、しっかりと話し合ってくださいね。

仏壇の中に忘れ物がないかを確認する

仏壇の中には、位牌や遺影などが置かれています。そのまま中に放置していると一緒に処分されてしまうので、仏壇の中に忘れ物がないかを必ず確認しましょう。


位牌や遺影などのほかに、家族の思い出の品や遺言書など大切なものが保管されているケースがあります。

特に見つけづらい隠れた引き出しには要注意です。引き出しの中には家系図や家宝、遺言書などの大切なものが保管されていることが多く、処分されてしまうと取り戻すことができません。

そのため、処分する前に一度仏壇の中のものを取り出し、隠れた引き出しがないかをチェックしましょう。

ほかにも、ご先祖様の手記や古いお金などが出てくることもありますよ。
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処分する際も仏壇を丁寧に扱う

たとえ仏壇を処分するとしても、ご先祖様を供養するために使われてきたものであるため丁寧に扱うようにしましょう。

閉眼供養を行ったあとの仏壇はただの木の入れ物に戻りますが、雑に扱うことは失礼と考える親族もいる可能性があるため、敬意を払って扱うことを心がけてみてください。

特に自身の手で仏壇を自宅の外に運び出す場合は、ぶつけて破損することがないように気をつけましょう。

処分前に菩提寺に相談してみる

仏壇を処分するか引き継ぐかを迷っている場合は、菩提寺に相談してみることをおすすめします。長い付き合いがあるからこその、よいアドバイスをもらえる可能性があります。


仏壇を処分するにあたり檀家を離れる場合は、寺院によっては離檀料が必要になるケースが多く、トラブルに発展しやすいため注意しなければなりません。

離檀する際は、まずは十分に話し合いを行いましょう。住職の理解を得たうえで離檀を行う必要があります。仏壇を処分する理由や離檀を考えている理由、これまでの感謝の気持ちなどを伝えるとスムーズに話し合えるでしょう。

離檀した際は、自身に合った方法でご先祖様の供養を行ってみてくださいね。

宗派による処分方法の違いに注意する

仏教でも、宗派によって仏壇の処分方法が異なる場合があります。特によくあげられるのが、浄土真宗と創価学会における仏壇の処分方法の違いです。

まず、浄土真宗では即身成仏という概念があるため、仏壇の中に魂が入っているという考えが基本的にはありません。そのため、故人の魂を抜く閉眼供養は行わないのが一般的です。


閉眼供養の代わりに、遷座法要や遷仏法要といった儀式を行います。仏壇から魂を抜くのではなく、読経を行いながらこれまでの感謝を伝える儀式です。

同じく創価学会の場合にも霊魂という概念がないため、基本的には閉眼供養は不要な場合が多いです。処分方法は一般的な仏壇と同じですが、創価学会の仏壇は特殊なものとされるため、一般的な仏具店では引き取りを依頼できないことがあります。

そのため、創価学会専門の仏具店に相談して処分の手続きを進めましょう。

自身の宗派がよくわからない場合は、菩提寺や親族に相談してみるとよいですよ。
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仏壇を処分する際の流れ

仏壇を処分する際の基本的な流れは、次のとおりです。

①処分方法を決定する
②業者と打ち合わせをする
③閉眼供養を行う
④仏壇の中を整理する
⑤仏壇を運び出す

1、処分方法を決定する

まずは、どのように仏壇を処分するかを決定しましょう。菩提寺や仏具店、遺品整理業者など自身に合った方法で処分を進めていきます。


処分方法は、親族間で話し合いながら決定しましょう。勝手に決めて処分してしまうと、あとからトラブルに発展する可能性があります。

遺品整理業者や不用品回収業者などに依頼する場合は、事前に必ず見積もりを依頼しましょう。地域での費用相場を知るために、1社だけではなく複数の業者で相見積もりを取ることが大切です。

また処分する前の閉眼供養の有無や、そのほかのサービス内容なども比較して、希望に合ったサービスを提供してもらえるところを選ぶのがおすすめです。併せて利用者の口コミも確認しておくと、ホームページやパンフレットからはわからない実際のサービスの質を把握できます。

費用をできるだけ抑えたい場合は、供養や仏壇の運搬などの費用もすべて含めた金額を比較すると安い業者を選びやすいですよ。

2、業者と打ち合わせをする

依頼方法が決まったら、菩提寺の住職や業者と打ち合わせを行います。基本的には、住職や業者のスタッフに自宅まで訪問してもらい、仏壇の状況を確認してもらってから具体的な処分の日程や費用を決めていくケースが多いです。

なお、場合によってはメールや電話のみで打ち合わせが完了する場合があります。業者に依頼する場合は、現地まで訪問したうえで見積もり額を提示してもらえるところであれば、より正確な依頼費用を把握できます。

不明点があれば、打ち合わせの段階で遠慮なくすべて聞いてみましょう。
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3、閉眼供養を行う

次に、仏壇からご先祖様の魂を抜くために閉眼供養を行います。

菩提寺の場合は、普段から付き合いのある住職に閉眼供養を行ってもらえます。仏具店や遺品整理業者などに依頼する場合は、僧侶を派遣して閉眼供養まで行ってもらえることが多いですが、供養の有無は業者によって異なるため確認が必要です。


閉眼供養と仏壇を処分する日は、同じ日でなくても問題ありません。

そのため、閉眼供養をしっかりと行ってもらったあとに、仏壇の中をゆっくりと整理してきちんと片付けてから処分してもらうことも可能です。

4、仏壇の中を整理する

閉眼供養を終えたら、仏壇の中を整理しましょう。仏壇の中にはお線香やロウソクのほか、位牌や遺影などが置かれていることがあります。特に位牌は永代供養を依頼する際に必要となるため、大切に保管しておきましょう。

ほかにも、見つけづらい隠れた引き出しの中に、思い出の品や遺言書などが隠されているケースがあります。気づかずに処分してしまうと取り戻せないため、仏壇の中をすみずみまで確認して整理を行うことが大切です。

1人で整理するのではなく親族にも手伝ってもらうと、忘れ物などに気づきやすいですよ。

5、仏壇を運び出す

仏壇の中の整理が終わったら、仏壇を運び出してもらいます。運び出す前に、最後に仏壇の前で手を合わせてこれまでの感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。

また、念のために仏壇の中に忘れ物がないかを再度確認しておくと安心です。

仏壇を心のよりどころとしている親族がいる場合は、運び出す日を伝えておくと親族と共に感謝の気持ちを伝えながら手放すことができますよ。
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仏壇処分後の位牌の扱い

仏壇の中には、故人の魂が宿るとされる「位牌」が置かれています。仏壇を処分する際は位牌も整理する必要がありますが、どのように扱えばよいか迷う方も多いでしょう。

仏壇処分後の位牌は、主に次のように扱うケースが一般的です。

・永代供養を依頼する
・お寺に閉眼供養を依頼する
・仏具店に引き取りを依頼する

永代供養を依頼する

仏壇処分後の位牌は、手元に残してリビングや寝室などに置いておくこともできますが、手元に置いておくのが難しい場合は永代供養を依頼しましょう。


永代供養を依頼すれば、自身に跡取りがいない場合でも子孫に代わって管理や供養を行ってもらえます。

なお、永代供養といっても位牌をずっと管理してもらえるわけではありません。基本的には十七回忌や三十三回忌などを迎えると、位牌をお焚き上げされるケースが多いです。

永代供養を依頼する場合は、どれくらいの期間で管理・供養をしてもらえるのか、いつお焚き上げになるのかなどを確認しましょう。

お焚き上げになるまでの期間の設定は、お寺や施設によって異なりますよ。

お寺に閉眼供養を依頼する

永代供養の依頼や仏具店での引き取りを考えていない場合は、まずはお寺で閉眼供養を依頼しましょう。閉眼供養を依頼すれば位牌の中に宿るとされる故人の魂は抜いてもらうことができ、位牌はただの板に戻ります。


魂を抜いてただの板に戻った位牌は、一般のゴミと同じく処分したり不用品回収業者などに回収を依頼したりすることが可能です。

魂を抜いてただの板に戻った位牌は、一般のゴミと同じく処分したり不用品回収業者などに回収を依頼したりすることが可能です。

仏具店に引き取りを依頼する

仏具店の中には、位牌の引き取りに対応しているところもあります。特に新しく位牌を作る場合は、古い位牌を無料もしくは低価格で引き取ってもらえる場合が多いでしょう。

しかし、新しい位牌を作らず引き取りのみを依頼する場合は比較的高い費用がかかることがあるほか、基本的に閉眼供養は行ってもらえないため自身で供養してから引き取りを依頼する必要があります。

仏具店の場合は、数千円〜10,000円程度で位牌を引き取ってもらえます。ただし、ほかにも閉眼供養を依頼する費用がかかる点に注意が必要ですよ。
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仏壇の位牌を処分する方法

仏壇とともに位牌の処分も決めた際は、主に次のような方法で処分が可能です。

・しばらく形を残しておきたい場合は「永代供養」
・形が残らなくてもよい場合は「お焚き上げ」

なお、閉眼供養を行ったあとの位牌は一般のゴミとして処分できますが、抵抗がある方は上に挙げた2つの方法で処分することをおすすめします。

しばらく形を残しておきたい場合は「永代供養」

位牌をすぐに処分することに抵抗がある場合は、お寺に永代供養を依頼しましょう。多くのお寺では位牌だけの永代供養も受け付けており、管理や供養を任せられます。


ただし、一定期間を過ぎると位牌は閉眼供養を行ったあとにお焚き上げされます。

最終的に形として残ることはありませんが、しっかりと供養したい場合は永代供養を依頼するとよいでしょう。なお、位牌の永代供養にかかる費用相場は、1柱あたり100,000円〜400,000円程度です。

形が残らなくてもよい場合は「お焚き上げ」

形が残らなくてよい場合は、お寺でお焚き上げを依頼しましょう。特に、位牌を一般のゴミと一緒に処分することに抵抗がある場合におすすめの方法です。


お焚き上げは、神仏に関するものを浄化・供養しながら火で焚いてもらえる供養方法の一つです。

お焚き上げによって感謝の気持ちを持ちながらご先祖様を送り出すことができ、自身の心の整理にもつながるでしょう。

位牌のお焚き上げの費用はお寺によって異なりますが、一般的には5,000円〜10,000円程度が相場です。

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仏壇の処分に関するよくある質問

Q

仏壇はそもそも必要?

A

仏壇は絶対に必要なものではありませんが、ご先祖様を供養したり故人とのつながりを感じる場として、可能であれば自宅に置いておくことをおすすめします。近年ではコンパクトな仏壇も登場しているため、実家の仏壇が大きく自宅には置けない場合は、コンパクトな仏壇に引っ越すのもよいでしょう。また最近では手元供養を行う方も多く、小さな骨壷やアクセサリーなどに故人の遺骨を入れて身近な場所で供養できるため、手軽にできる供養方法として注目されています。



Q

A

浄土真宗の仏壇では、基本的には閉眼供養は必要ありません。その代わりに遷座法要や遷仏法要などを行い、感謝の気持ちを伝えてから仏壇を処分します。それぞれの法要が終わったあとの処分方法は、一般的な仏壇と同じです。仏壇の中に位牌や遺影、思い出の品などの大切なものを置いたままにして処分しないように、忘れ物がないかを確認しましょう。



Q

創価学会の仏壇はどのように処分したらよい?

A

創価学会の仏壇は、創価学会専門の仏具店に処分方法を相談しましょう。一般的な仏具店では、創価学会の仏壇を引き取れないケースが多いです。なお、創価学会専門の仏具店に引き取りを依頼する場合は、一般的な仏具店に依頼する場合に比べて費用が高くなることがある点に注意しましょう。



Q

仏壇は誰が引き継ぐべきなの?

A

両親が亡くなったあとの仏壇は、民法の第897条で「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。」とされています。そのため、必ずしも長男や長女が引き継がなければならないわけではありません。しかし、「被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。」ともあり、被相続人が遺言書などで引き継ぐ人を指定している場合は、基本的に指定された人が仏壇を引き継ぎます。特に指定がない場合は慣習に従って決定し、必要に応じて仏壇を守り続けるか処分するかを決めるとよいでしょう。

出典:民法 e-Gov法令検索



Q

仏壇を処分する際、位牌はどうするのがよい?

A

仏壇を処分したあとに、位牌だけをリビングや寝室に置いて供養を続けることも可能です。しかし、処分したい場合はお寺で永代供養やお焚き上げを依頼するのがおすすめです。なお、閉眼供養を行ったあとの位牌はただの板に戻るため、一般のゴミと同じように処分できます。一般のゴミとしての処分に抵抗がある方は、永代供養やお焚き上げを依頼しましょう。

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【まとめ】適切な方法で仏壇の処分を進めよう

両親が亡くなったり実家を売却したりする際は、基本的には子や親族が仏壇を引き継ぐケースが多いです。しかし、さまざまな事情で仏壇を自宅に置けず、処分が必要になるケースもあるでしょう。

仏壇は、菩提寺や仏具店、遺品整理業者などに依頼して、閉眼供養を行ったうえで処分しましょう。なお、自身で閉眼供養を行ってもらえる僧侶を見つけた場合は、供養後に自治体の粗大ゴミ回収や不用品回収業者に依頼することも可能です。

仏壇は親族にとっても大切なものであるため、扱いについては自身1人で決めるのではなく親族間で話し合って決定しましょう。理解を得られてから処分を依頼することが大切です。

処分する際は、仏壇の中に忘れ物がないかを必ず確認して、これまでの感謝の気持ちを伝えてから手放すようにしましょう。

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