自動お掃除機能付きエアコンを自分で掃除する方法【プロが解説】

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ご家庭のエアコンは自動お掃除機能が付いていますか?お掃除機能が付いているエアコンは、フィルターのホコリを自動で集め、ダストボックスと呼ばれる箱の中に溜めていきます。そのため、「お掃除機能が付いていればエアコンの掃除はしなくても大丈夫」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、お掃除機能付きエアコンも定期的な掃除が必要です。それは、ホコリを集めるダストボックス内にどんどんホコリが溜まっていくからです。

では、お掃除機能付きエアコンの掃除は普通のエアコンに比べて難しいのでしょうか?「お掃除機能付きエアコンは分解が難しい」「お掃除機能付きエアコンはフィルターが取り外しにくい」こうした意見を目にすることもあるかもしれませんが、フィルターのホコリを掃除するだけであれば、掃除にかかる時間はおよそ30分程度ととても簡単です。

難しいのは簡易的な掃除ではない、本格的な内部の分解洗浄です。高圧洗浄をするためにはお掃除機能を作動させるエアコン内部のモーターユニットを取り外す必要があるため、分解には知識が必要で、経験があったとしてもとても時間がかかります。

そのため、お掃除機能付きエアコンは、業者に頼むと普通のエアコンに比べて金額が高く、時間がかかることがゆえに普段のお手入れに関しても難しそうな印象が広まっているのだと考えられます。

この記事ではダイキンのうるさらXを実際に掃除した様子を写真と共にご紹介します。メーカーによって構造は異なりますが、お掃除機能付きエアコンの掃除の参考にしていただければと思います。

【記事作成】おうちにプロ 編集部
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自動お掃除機能付きエアコンの特徴

自動お掃除機能付きエアコンはどのようにしてエアコン内部を掃除しているかご存知でしょうか。エアコンは室内の空気を吸い込み、熱交換器を利用して室内の温度を調整しています。そのため、運転中は室内の空気を吸い込むことでホコリも一緒にエアコン内部に吸い込まれていきます。

この時、役に立っているのがエアコン内部のフィルターです。フィルターがなければ吸い込んだホコリは熱交換器を直に汚してしまいます。熱交換器にホコリが詰まってしまうと、空気の排出がとても非効率になってしまい、部屋の温度を変える時間がかかり、電気代が上昇してしまいます。また、ホコリが溜まることでカビやニオイの原因にもなります。

フィルターは吸い込んだホコリをキャッチする役割を担っているため、エアコンが安定して運転することができています。しかしホコリは当然だんだんと溜まっていき、やがてエアコンが室内の空気を吸い込む力を弱めてしまいます。そうすると部屋の温度を変えるために時間がかかってしまい、本来の性能を発揮できなくなってしまうのです。

お掃除機能付きエアコンの優れた特徴は、フィルターに溜まったホコリを自動で収集してダストボックスと呼ばれるエアコン内のゴミ箱に捨ててくれることです。この機能によって、お掃除機能がついていないエアコンに比べると、フィルターにホコリが溜まる時間に大きな差ができます。

内部クリーン運転とフィルター自動掃除運転の違い

お掃除機能としてよく間違えられるのが内部クリーン運転です。フィルターのホコリを掃除してダストボックスに捨てる機能は「フィルター自動掃除運転」で、内部クリーン運転とは異なるものです。

内部クリーンとは?

内部クリーン運転は熱交換器の働きで生じたエアコン内部の結露を乾かし、カビやニオイを抑制するための機能です。フィルター自動掃除運転に比べると内部を乾かすための時間がかかり、時間にして30分〜90分ほど運転してから停止します。

単純にエアコン内部を温めたり、風を送ることで乾かす機能になるため、ほとんどのメーカーのエアコンに標準機能としてついています。

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お掃除機能付きエアコンを自分で簡単に掃除しよう

ここからは実際にお掃除機能付きエアコンを掃除する手順を写真付きで紹介します。今回掃除したのはダイキンのうるさらXです。プロの業者に教わった方法で筆者が掃除にかかった時間はおよそ30分と短く、とても簡単でした。

1エアコンの周りをゴミ袋で囲うか新聞紙を敷き、電源プラグを抜いておく

エアコンのフィルターにはフィルター自動掃除運転で取りきれなかったホコリが付着しています。また、そうでなくてもエアコン内部には小さなホコリがところどころに付着しています。

これらのホコリは掃除中に飛散して床に落ちていくため、エアコンの周りをゴミ袋で囲うか、床に新聞紙を敷いておきましょう。

ゴミ袋を使用する場合は次の写真のように、横一辺をハサミで切って三角頭巾のような形にし、エアコンの両脇にテープで貼り付けるといいでしょう。

また、掃除中にエアコンが作動しないように電源プラグを抜いておきましょう。電源プラグが抜けないような状態にあるときはブレーカーを落とす方法もあります。

2フロントパネル(前面カバー)を開ける

掃除の準備ができたらマスクをしてエアコンを開けていきます。エアコンのフロントパネルは開けやすい構造になっており、両脇付近を持って上に持ち上げましょう。

フロントパネルが固定できる位置があるため、ゆっくりとその位置まで持ち上げます。力一杯動かすとパネルが破損する恐れがあるため、気をつけてください。

3ダストボックスを取り外す

フロントパネルを開けると手前に中身の見えるボックスが現れます。これがダストボックスと呼ばれる、フィルター自動掃除運転でホコリを捨てるゴミ箱になります。

ダストボックスは両脇を持って同じ力で上方向かつ斜め手前に引っ張ると外れる仕組みになっています。

補助ダストボックスも取り外す

ダストボックスの下には補助ダストボックスと呼ばれるものが付いています。ダストボックスに集積したホコリからさらに溢れてしまった小さなホコリを拾うためにあります。

こちらも掃除した方が良いため、ストッパーを左右にずらして上に引っ張りましょう。

4エアフィルターを取り外す

いよいよフィルターを外します。フィルターは手前に二つの爪で固定されていますが、直接爪を触るのではなく、爪と爪の間にある隙間に指を入れて上に持ち上げることで外れるようになっています。

あとはフィルターを手前にゆっくりとずらしながら抜いていけば本体から外れます。フィルターを破らないように気をつけながら作業しましょう。

5光触媒粉塵・脱臭フィルターを取り外す

ダイキンのうるさらXにはさらに、光触媒粉塵・脱臭フィルターがついています。こちらにもホコリが付着しているため、取り外しましょう。

光触媒粉塵・脱臭フィルターはカビやアレルギー物質、ニオイを吸着して取り除くフィルターです。交換目安は10年になります。

6吸気フィルターを取り外す

続いて吸気フィルターを外します。吸気フィルターは室内から取り入れた空気中のホコリを除去するためのフィルターであり、フロントパネルを開けた直後にあった大きなエアフィルターが除去しきれなかったホコリがエアコン内部に侵入するのを防ぎます。ツマミを引っ張るだけでかんたんに抜けますので、外しましょう。

7外した部品のホコリを取る

ここまで外したエアフィルター、ダストボックス、補助ダストボックス、光触媒粉塵・脱臭フィルター、吸気フィルターのホコリを掃除します。なお、同じフィルターでも光触媒粉塵・脱臭フィルターは水洗いしてはいけません。効果がなくなり、使用できなくなるため注意しましょう。

エアフィルターと吸気フィルターはシャワーで流すか汚れがひどい場合は液体中性洗剤を溶かしたぬるま湯で歯ブラシなどを使って汚れを流しましょう。ポイントとしては破損しやすいため、強くこすりすぎないことが重要です。洗った場合はよく乾かしてから元に戻します。濡れたままエアコン内部に戻してしまうと、そこからカビの発生する原因になります。

ダストボックス内にはホコリがまとまっているため、そのままホコリだけ捨てることもできますし、ホコリ汚れが気になる場合は掃除機で吸い取りましょう。補助ダストボックスも同様に掃除機だけできれいにできます。

8エアコン内部のホコリを取る

部品を戻す前に、エアコン内部のホコリも取っておきましょう。フィルターがキャッチしきれなかった細かいホコリが残ってしまっています。ただし、熱交換器は破損しやすい部品のため、掃除機を当てる際は十分気をつけましょう。風向きルーバーなども細かいホコリがついていることがあるので、拭き取りましょう。

9逆の手順で部品をもとに戻す

ここまで掃除を終えてフィルターが乾いたところで部品を元に戻していきます。基本的には取り外しとは逆の工程で済みますが、エアフィルターを戻す際にはツメがしっかりハマっているかどうかを確認してください。このツメがハマっていないと、フィルター自動掃除運転をしたときにダストボックスとフィルターの間に隙間ができ、レールがうまく噛み合わないために「バキッ」という異音が生じてしまいます。

10電源プラグをつけて試運転して完了

フロントパネルをもとに戻し、電源プラグをつけたらダストボックスが正しく動作するかを確認するためにフィルター自動掃除運転を行いましょう。

以上でお掃除機能付きエアコンの掃除は完了です。

本格的なエアコンの分解洗浄も2年に1度はプロに依頼しよう

ここまでご紹介した掃除内容はあくまで簡易的なフィルターの掃除にとどまります。実際には熱交換器に汚れが溜まっていたり、カビが発生している可能性もあるため、2年に1度の目安でプロの業者に分解洗浄を依頼するのがオススメです。

一度カビが発生してしまうと、内部の洗浄をしない限りは繁殖をし続けますし、自動お掃除機能だけでは防ぐことはできません。

また、分解洗浄ではダストボックスを動かすモーターが内蔵されているユニットを取り外す必要があります。通常、エアコンを正面から見て右側に付いているユニットは様々なプラグがつながっており、素人が分解するのは容易ではありません。

洗浄においても高圧洗浄機やエアコン掃除用の洗剤、周りが汚れないように本格的な養生を行うなど、あらゆる点において簡易掃除とは異なる知識と経験が必要です。動画などを参考にして自分で取り組んだ結果「エアコンが故障してしまった」ということにならないように、プロの業者に任せたほうが安心でしょう。

【まとめ】お掃除機能付きエアコンのフィルター掃除は難しくない。難しいのは本格的な分解洗浄。

お掃除機能付きエアコンの掃除が「大変」「金額が高い」とネガティブな印象が発信されているのはあくまで内部分解洗浄であり、日常的なフィルターの掃除に関しては30分程度で終わることができました。

また、今回のエアコンは設置してから1年半ほど1度も掃除をしていませんでしたが、フィルターについていたホコリは驚くほど少なく、お掃除機能によってダストボックスにはしっかりとホコリが溜まっていることもわかりました。もしこれがお掃除機能が付いていないエアコンだった場合、フィルターには大量のホコリが溜まっていたのではないでしょうか。

あらためて、自動お掃除機能付きエアコンの掃除に関するまとめです。

  • お掃除機能付きエアコンはエアフィルターに溜まるホコリを自動で掃除し、ダストボックスにホコリを溜める。
  • 全く掃除をしなくて良いのではなく、ダストボックスに溜まったホコリを定期的に掃除する必要がある。
  • 掃除にかかる時間は30分程度と、難しくはない。
  • 内部分解洗浄も定期的に行うと、よりエアコンを清潔に保つことができる。内部分解洗浄はお掃除機能付きエアコンの場合、通常のエアコンに比べると難易度が高いため、プロのエアコンクリーニングを依頼するほうが良い。

内部分解洗浄のできるエアコンクリーニングの業者を選ぶなら「おうちにプロ」

エアコンの内部分解洗浄は手間と時間がかかる掃除です。金額も少々高めになりますが、住まいの大切な空気を左右するエアコンだからこそ、経験豊富なプロの業者に任せるのが安心です。

「おうちにプロ」では自動お掃除機能付きエアコンの内部洗浄を行えるプロの業者がたくさん掲載されているサイトです。また、実際にエアコンクリーニングを依頼したユーザーからの口コミや評価も多数あるため、どの業者がお掃除機能付きエアコンの掃除を得意としているかを比較して検討するにはとても便利なサービスです。

エアコン以外にもお風呂やトイレ、キッチンの掃除などをセットで依頼することも可能なので、ぜひ一度お試しください。

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