エアコンフィルター掃除は掃除機・水洗いで15分【プロが解説】

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エアコンのフィルター掃除は、1ヶ月に1回の頻度で、表面についたホコリを掃除機で吸い取るだけでも、キレイな状態をキープすることができますが、掃除機で十分に汚れが落とせない場合には、裏面から水洗いすることで、より清潔な状態になります。

掃除機と水洗いで掃除をしても、作業時間は15分程度で完了します(フィルターの乾燥時間を除く)。エアコンのフィルターを月に1回を目安に定期的に掃除することで、エアコンがキレイに保たれるだけでなく、節電やカビの発生を抑制する効果も期待できます。

この記事では、エアコンのフィルター掃除の方法について、全ての手順を写真付きでわかりやすく解説しています。

【記事作成】おうちにプロ 編集部
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エアコンのフィルター掃除の方法

エアコンのフィルター掃除を始める前に、ホコリを吸い込まないために、マスクを装着しておきましょう。また、花粉やハウスダストなどで目のかゆみを感じやすい方は、安全保護メガネやゴーグルをつけておくと安心です。

作業時間:約15分

エアコンフィルター掃除に必要な物
掃除機、マイクロファイバークロス(柔らかい素材の布)、ハンディモップ、新聞紙、マスク
【水洗いする場合】台所用中性洗剤、使い古しの歯ブラシ、タオル

1電源を切りコンセントを抜く

エアコンの電源を切り、コンセントを抜いてください。電源を入れたままやコンセントを挿したまま掃除をすると、内部の部品でケガや感電する恐れがあるため、危険です。

2カバーの外側のホコリを拭き取る

カバーの外側についたホコリを、マイクロファイバークロスなどの柔らかい素材の布で拭き取りましょう。油汚れなどでホコリが取りづらい場合は、布をぬるま湯につけ、固く絞ってから水拭きすると落としやすいです。

エアコンは本体の上部からも空気を吸い込む構造のため、上側もホコリがたまりやすいです。手が届きにくいところは、ハンディモップなどを使ってホコリを絡めとりましょう。

3前面パネルを開ける

前面パネルの左右にある凹みに指をかけて、上へ引き上げます。そのまま上へ開けていくと、全開したところでストップします。全開状態からさらに上へ持ち上げてしまうと、前面パネルが外れてしまいます。

機種によっては前面パネルに「ロック解除ボタン」や「センサー」が付いている場合もあるため、開け方がわからない場合は無理して開けず、取扱説明書を確認してください。

4フィルターを取り外す前にホコリを掃除機で軽く吸い取る

フィルターを取り外す前に、掃除機でフィルターのホコリを軽く吸い取りましょう。取り外す時にホコリが舞ってしまうのを防ぐことができます。

5フィルターを取り外す

フィルターの手前についている取っ手をつまんで、手前に引くことで取り外すことができます。フィルターの上部(奥の方)はホコリがつきやすい場所のため、そーっと取り外しましょう。

フィルターを取り外したら、新聞紙やチラシなどの上に一旦置きます。

6前面パネルの内側やルーバーのホコリを拭き取る

フィルターを取り外した後、前面パネルの内側やルーバーなどのホコリをマイクロファイバークロスで拭き取ります。

アルミフィン(熱交換器)は、薄いアルミが重なってできていて、曲がりやすい素材のため、手で直接掃除をしてしまうと、破損やケガの恐れがあります。アルミフィンの汚れが気になる場合は、エアコンクリーニングで高圧洗浄してもらうことがおすすめです。

7フィルターの表面のホコリを掃除機で吸い取る

フィルターの表面についたホコリを掃除機で吸い取りましょう。掃除機のヘッドは、ブラシやすき間用ノズルを使うとホコリが吸い取りやすくなります。新聞紙やチラシを敷くことで、床にホコリが散らばることを防ぐことができます。

裏面から掃除機をかけてしまうと、ホコリがフィルターの網目に詰まってしまうため、必ず表面から掃除機を当てるようにしましょう。

これだけの量のホコリが吸い取れました!

油汚れなどがフィルターに付いていて、掃除機で汚れが十分に取り除けない場合は、エアコンのフィルターを水洗いをしましょう。掃除機だけでホコリが取り除けた場合は、エアコンフィルターの取り付けへ進んでください。

8エアコンフィルターの水洗い

フィルターの汚れが掃除機だけで吸い取れない場合は、フィルターの裏面から水を流して、網目に詰まった汚れを押し出すように水洗いします。

9ぬるま湯に中性洗剤を少量溶かしてフィルターをつけ置き

キッチンの近くやリビングダイニングのエアコンは料理中の油を含んだ煙を吸い込みやすいため、フィルターが油汚れなどでベタベタしている場合は、ぬるま湯に台所用の中性洗剤を少量溶かして、フィルターを5分間程度つけ置きします。

洗剤は必ず中性のものを使用してください。アルカリ性や酸性の洗剤は、フィルターを傷めてしまう可能性があります。

10フィルターを歯ブラシでこすり洗いする

ぬるま湯につけた後は、汚れが浮いて取れやすい状態になっているので、使い古しの歯ブラシなどで、フィルターの表面をこすり洗いします。

フィルターはナイロンやポリエステルなど柔らかい素材のため、変形や破損を防ぐために、やさしくこするようにしてください。

11フィルターについた洗剤を水で洗い流す

フィルターを裏面→表面の順で水ですすいでください。洗剤残りがあると、洗剤の成分が臭いの元となるため、しっかり洗い流しましょう。

12フィルターをタオルで挟み、水気を拭き取る

フィルターをタオルで挟んで水気を拭き取ります。タオルを使うことで短時間でフィルターを乾かすことができます。

13フィルターを乾かす

室内でフィルターを乾かします。タオルで水気を拭き取っていれば、1時間程度で乾きます。

【注意】フィルターをドライヤーで乾かさないこと

早く乾かすために、ドライヤーを使ってしまうと、熱風によってフィルターのナイロンが柔らかくなり変形する恐れがあります。

【注意】フィルターを天日干ししないこと

屋外で天日干しすると直射日光に当たることで変形する恐れがあります。また、空気中を漂う花粉や砂ぼこりなども付着してしまうため、室内で乾燥させましょう。

14エアコンフィルターの取り付け

フィルターが完全に乾いたことを確認して、エアコンのフィルターを取り付けます。フィルターのつまみを持って、両脇にあるレールに沿ってフィルターを戻します。

レールから外れていると、フィルターが浮いてしまい、隙間からホコリが侵入してしまうため、正しく取り付けられていることを確認します。

15前面パネルを閉じる

前面パネルの両側の凹みを持って、ゆっくり下げます。

16コンセントを挿す

コンセントを元の場所に挿します。

17電源を入れて試運転する

電源を入れて、正しく運転するか確認してフィルター掃除は完了です。

風が出るときに、カタカタやパタパタと音がする場合は、フィルターが正しい位置に取り付けられていない可能性があります。

エアコンのフィルター掃除の注意点

エアコンのフィルター掃除は、掃除機と水洗いで簡単にキレイにできますが、掃除にあたっての注意点をご紹介します。

高所作業で転倒・ケガに注意

前面パネルを開ける時やフィルターを取り外す時に、脚立や踏み台、椅子に乗って作業する場合は、転倒やケガに十分注意してください。事前に脚立や踏み台がぐらつかないか確認した上で、安全に配慮した上で掃除しましょう。

取り外す時にホコリが舞わないように注意

長期間フィルターの掃除をしていない場合、フィルターにはホコリがたくさんついているため、フィルターを取り外す時に、ホコリが舞ってしまい、誤って吸い込んでしまう恐れがあります。

エアコンのフィルター掃除を始める前に、必ずマスクを着用して、フィルターにホコリが大量に付着している場合は、フィルターを取り外す前に、軽く掃除機を当てて大きなホコリを吸い取っておくことで、取り外す時にホコリが舞ってしまうことを防ぐことができます。

強い力でこすり洗いしないよう注意

エアコンのフィルターに粘着性の汚れがついている場合にブラシを使って掃除しますが、フィルターはナイロンやポリエステルなどの柔らかい素材のため、ブラシで強くこすってしまうと、網目が破れたり、歪んでしまう恐れがあります。

頑固な汚れの場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯にしばらくつけ置きした後に、ブラシを使ってやさしくこすり洗いすることで、汚れが落としやすくなります。

フィルターを水洗いした後は、完全に乾くまで取り付けないこと

フィルターを水洗いした場合、乾く前にエアコンに取り付けてしまうと、フィルターの水気によって、カビが発生し悪臭が発生したり、すぐにフィルターが汚れてしまう原因となります。タオルで水気を吸い取り、十分に乾かした後に、エアコンに取り付けましょう。

エアコンのフィルターを掃除しないと効きが悪くなり、電気代も高くなる

エアコンのフィルターを掃除しないまま使い続けてしまうと、フィルターがホコリによって目詰まりを起こしてしまい、エアコンが空気を取り込めなくなります。

エアコンは、室内の空気を取り込んで、熱交換器で空気を暖めたり・冷やしたりして、再び室内に吐き出す構造になっていますが、フィルターがホコリだらけになると、十分に空気を吸排できなくなるため、効きが悪くなります。

設定温度に近づけるために、多くの電力を消費するため、フィルターの掃除を怠ることで、結果的に電気代も高くなってしまいます。

また、エアコンのフィルターについたホコリが、エアコン内部まで侵入してしまうことで、カビの栄養分となり、次第に嫌な臭いまで発生してきてしまいます。

エアコンのフィルター掃除の頻度は最低1ヶ月に1回が目安

エアコンのフィルター掃除は、メーカーの取扱説明書では2週間に1回を推奨していますが、中々2週に1度の頻度はハードルが高いと感じるかもしれません。

毎日12時間程度エアコンを使っている場合、最低でも月に1回フィルター掃除をすることで、エアコンの効きが極端に悪くなることもなく、比較的キレイな状態をキープすることができます。

エアコンのフィルターをキレイに保つコツ

できるだけエアコンのフィルターが汚れないようにキレイに保つコツをご紹介します。

定期的に部屋の換気をする

エアコンのフィルターが汚れる一番の原因は、室内のホコリです。空気中に浮遊するホコリやチリをエアコン本体が吸ってしまうため、フィルターがホコリだらけになってしまうのです。

定期的に部屋の空気を入れ替えることで、空気中のホコリも屋外に排出され、フィルターが汚れにくくなります。

料理をする時はエアコンを止める

リビングなどにあるエアコンは、キッチンで油を使った料理をしていると、エアコンが油を含んだ煙を吸ってしまうことで、フィルターに油分が付着しベタベタに汚れてしまいます。

ベタベタになったフィルターにホコリがくっつくため、フィルターはすぐに汚れてしまいます。特に焼肉や鉄板焼きなど、煙が出やすい料理をする時は、エアコンを停止することで、フィルターが汚れることを防ぐことができます。

内部クリーンの設定をONにする

内部クリーンとは、冷房を使った時に発生する結露による湿気を、冷房運転終了後に乾燥させるために備わっている機能です。

内部クリーンの設定をONにしておくことで、内部を乾燥するため、カビの発生を抑制することはもちろん、エアコン内部の湿気もなくなるため、フィルターにホコリがつきにくくなる効果もあります。

エアコンの内部クリーン機能の効果や疑問点を解消します!

自動お掃除機能付きエアコンのフィルター掃除

自動お掃除機能付きエアコンのフィルターは、お掃除ロボットが電源を切った際に自動的に作動して、フィルターについたホコリを取り除いてくれるため、定期的なフィルター掃除は必要ありません。

しかし、ロボットが集めたホコリが溜まるダストボックスが一杯になったら捨ててあげる必要があったり、経年劣化によりロボットが十分にホコリを取り除いてくれない場合など、手動でフィルターの掃除が必要なケースもあります。

自動お掃除機能付きエアコンを自分で掃除する方法【プロが解説】

内部まで汚れてしまっていたらエアコンクリーニングを依頼

エアコンのフィルターをこまめに掃除することで、エアコン内部が汚れてしまうことを防ぐことができますが、どんなにフィルターをキレイにしていても、冷房を使った時にエアコン内部で発生する結露水によって、フィルターの奥にあるアルミフィン(熱交換器)や送風ファンにカビが発生してしまうことがあります。

フィルター掃除とは異なり、アルミフィンや送風ファンは自分で取り外すことができないパーツで手が届きにくい場所にあるため、簡単に掃除することができません。

アルミフィンや送風ファンにホコリやカビがついているのが見える場合は、プロの業者へエアコンクリーニングを依頼し、高圧洗浄機を使って水洗いしてもらいましょう。

ホームセンターやドラッグストアで販売されている「エアコン掃除スプレー」は、エアコン内部の汚れを落としきれないケースが多く、悪臭や汚れの悪化、故障のリスクも伴うため、あまりおすすめできません。
エアコン掃除スプレーはダメ!?プロがおすすめしない理由とは?

エアコンは「フィルターを月に1回自分で掃除して、内部は年に1回業者にエアコンクリーニングを依頼する」ことで、年間を通して清潔な状態を維持することができます。

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