何度も発生するお風呂の赤カビ、最も効果的な落とし方は?

お風呂の掃除を念入りにやっても、気がつけばすぐに現れる赤カビ。

この記事ではそんな赤カビをかんたんにきれいにする方法として、カビキラーを使った掃除の仕方を紹介します。

カビキラーを使うことでカビ菌を根っこから除去し、カビの発生しにくい環境を整えて赤カビの発生頻度を抑えることができます。

ただし、カビキラーは強力な塩素系の洗剤です。使い方を誤ると人体に重大な影響を及ぼしますので、ぜひ最後までお読みください。


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お風呂場の赤カビの原因とは?

お風呂場に発生する赤カビは名前の通り薄い赤色、というよりもピンク色の汚れで、触るとヌルヌルしていることが特徴です。

この赤カビは実は酵母菌と呼ばれる5~10ミクロンのとても小さな菌で自然界のどこにでも存在しています。

「ロドトルラ」とも呼ばれていますが、これはロドトルラ属と分類されるものの総称であり、複数の菌が存在します。

このロドトルラは他の菌に比べると繁殖スピードがとても早く、お風呂場の様な高温多湿で菌の繁殖に適している環境だと2~3日程度で目に見える赤カビへと変わっていきます。

また、ロドトルラは水分だけでも繁殖に必要な栄養素となってしまうため、水気のあるお風呂場は絶好の繁殖場所となっているのです。

赤カビと黒カビの違い

赤カビと同じようにお風呂場にできるカビ汚れとしては、黒カビが挙げられます。

両方ともカビが原因で発生する汚れである点は同じですが、原因となるカビや性質に違いがあります。

黒カビ汚れは「クラドスポリウム」という赤カビを餌に繁殖するカビが原因となっており、根を張ると根絶が難しく、アレルギーなどの健康被害をもたらす原因にもなります。

そのため、赤カビを放置してしまうとさらに厄介な黒カビが繁殖してしまうので、赤カビを早めに掃除することはカビ汚れの素早い対処につながるでしょう。

赤カビに効果的に働くのはエタノール

赤カビは酵母菌と呼ばれる微生物ですので、消毒用のエタノールに対しては弱いという特徴があります。

エタノールは殺菌や消毒に効果がある成分で、中学校の実験に使われていたことで馴染みがあるのではないでしょうか。

無水エタノールと消毒用エタノールの違い

掃除用の製品として無水エタノールと呼ばれるものがあります。

「無水」という名前の通り、このエタノールには水がほとんど含まれていません。無水エタノールは99.5%以上のエタノール濃度があり、消毒用エタノールと違ってほとんど殺菌や消毒効果を期待できません。

エタノール濃度が濃いとなぜ殺菌や消毒効果がないのか、と疑問を持たれるかもしれませんが、エタノールは揮発性が高いため、すぐに蒸発してしまって殺菌や消毒効果を発揮することができないのです。

ただし、無水エタノールには油分の汚れをかんたんに落とす効果があるため、例えばテレビのリモコンやキーボードなど、水分を含んだ洗剤では壊れてしまうような精密機械に対して効果的です。

使い方としては綿棒などに無水エタノールをつけ、塗るように掃除をして汚れを落ちやすくしたら布などで拭き取るだけです。洗剤の様にゴシゴシ擦る必要はありません。

一方で消毒用エタノールはエタノール8に対して水2の割合で薄めたものを指し、殺菌や消毒効果を発揮します。

無水エタノールと違って水分を含んでいますので、すぐに蒸発することなく、水分が残ってカビなどの菌に浸透していきます。

殺菌されたカビは洗い流すことですぐ汚れが落ちるため、掃除も楽にできます。

次亜塩素酸塩を含んだカビキラーが効果的

今回この記事ではカビキラーを使ったお風呂場の赤カビの掃除方法について解説しますが、カビキラーが赤カビに効く理由はカビキラーに含まれている次亜塩素酸塩の働きによるものです。

次亜塩素酸塩はウィルスに対する殺菌力が非常に強い消毒剤の一つで、身近な例で言えばノロウィルスの殺菌によく使われています。

カビキラーには次亜塩素酸塩の他にも水酸化ナトリウムや界面活性剤が含まれており、これらが段階的に作用することでカビに対して効果的に働くことができます。

カビキラーがカビに効くメカニズム

カビキラーがお風呂場のカビに効く仕組みは、まずは水酸化ナトリウムがカビの細胞壁に作用することで内部にまでカビキラーの成分を届きやすくする働きをします。

そして、次亜塩素酸塩がカビ細胞の内部に浸透し、カビの組織や酵素を破壊するのです。

また、カビによって発生した色素も分解する働きを持ちます。

最後に、界面活性剤が分解したカビの汚れを浮かす役割を果たすので、シャワーなどの水でかんたんに洗い流すことができるのです。

加えて、カビキラーには菌やバクテリアを除菌する効果があり、しばらくの間新しいカビ菌を発生しにくくします。

カビキラーを使う際に気をつけること

お風呂場のカビに強力な効果を発揮するカビキラーですが、その分使う際には注意する点がいくつかあります。

【注意①】酸性タイプの洗剤と混ぜてはいけない

まず、最も重要な点として、カビキラーは塩素系の洗剤です。

塩素系の洗剤には必ず「酸性タイプの洗剤と混ぜるな、危険」という表記がありますが、まさにそのとおりで絶対に酸性タイプの洗剤と一緒に使ってはいけません。酸性タイプの洗剤と一緒に使ってしまうと、危険な塩素ガスが発生し、最悪の場合死んでしまう恐れがあります。

酸性タイプの洗剤としてはよくクエン酸が取り上げられますが、掃除グッズとしてよく紹介されるお酢も酸性ですので、絶対に一緒に使わないように気をつけてください。

【注意②】肩より高い位置にあるカビに直接スプレーしない

塩素系の洗剤で気をつけたい2つ目のポイントは、肌に直接触れないようにするということです。

使用時はゴム手袋をして皮膚を守り、また誤って目に入らないようにゴーグルなどを着用することも重要です。

万が一目に入ってしまった場合は手でこすらずに流水でしっかり洗い流し、すぐに眼科を受診してください。

最悪の場合失明する恐れがあるので、気をつけましょう。

ですので、お風呂場でカビキラーを使用する場合は肩よりも高い位置にあるカビに対しては直接スプレーしないようにしましょう。

予期せず跳ね返ってきた液体が目に入ることを防ぐためです。

高い位置にあるカビに対してはスポンジにカビキラーをスプレーして、間接的にカビに当てるなどしてください。

【注意③】カビキラーを浴槽に使わない

カビキラーは浴槽には使わないほうが良いです。

これは浴槽の素材によっては変色してしまう恐れがあるからです。

浴槽の汚れは水垢や石鹸カスが混じったものになりますので、お風呂場用の洗剤を使ったほうが効果的だと考えられます。

【注意④】カビの生えたカーテンには使用できない

カビはお風呂場だけではなく、実はカーテンなどにも発生します。ただしカビキラーは布製品に使うことができません。

なぜなら漂白作用があるため、色のついているカーテンの場合カビキラーを使った部分だけが白くなってしまうからです。

カビキラーはあくまでお風呂場用として使い、布製品に対しては衣類専用の塩素系漂白剤を使用しましょう。

お風呂場の赤カビを徹底除菌。カビキラーの使用手順とは?

ここまでお風呂場の赤カビの原因や次亜塩素酸塩を含んだカビキラーの使い方などをお伝えしてきました。

ここからは実際にどのような手順でお風呂場の赤カビを掃除すれば良いのか、必要な道具と手順を写真を交えて紹介していきます。

1カビキラーの他にゴーグル、マスクやゴム手袋を準備する

カビキラーは強力な次亜塩素酸塩を使ってカビを殺菌します。

そのため、素手で触れたり、誤って目に入ってしまうと肌が荒れる、失明などのリスクがあります。

ですので、カビキラーを使用する際には必ずゴーグルやゴム手袋を装着しましょう。

また、カビキラーは塩素系のツンとするにおいを発するので、においが気になる方はマスクも着用しましょう。

2カビキラーを床全体にスプレーする

カビキラーをスプレーする場合、お風呂場の床は乾いていなくても問題ありません。

そもそもカビキラーの中に水分が含まれており、公式サイトでもアナウンスされています。

ただし、お風呂場の換気扇をオンにして、よく換気するようにしましょう。

カビキラーはピンク色の赤カビだけではなく、床全体にスプレーしましょう。

カビ菌は非常に小さく目で見ることができない部分にも実はたくさん繁殖しています。

生き残ってしまっていると知らない間にどんどん繁殖していきますので、全体に散布することをおすすめします。

320分~30分ほど待つ

カビ菌は根っこと呼ばれる部分があるように、お風呂場の床にこびりつくためなかなかブラシで磨いても落ちにくいです。

ピンクの赤カビはほとんどが磨けば落ちますが、今回は磨かずに落とすため、カビキラーをスプレーした後はすぐに床を洗い流すのではなく、20分~30分ほど待って水酸化ナトリウムにカビの細胞壁を破壊させ、次亜塩素酸がカビ菌の内部に浸透していくようにしましょう。

4流水はお湯ではなく冷水で

時間が経ったところで冷水でカビキラーを流します。

この時、温かいお湯ではなく、冷たい水で流しましょう。これは温かいお湯を使うと湯気が伝って臭いを強く感じてしまい、場合によっては気分が悪くなってしまうからです。

冷水で流したところでまだ汚れがこびりついているようでしたらブラシなどで軽く洗いましょう。

カビキラーを使用した後の床は漂白作用もあるためとても真っ白くきれいになっているはずです。

これで赤カビを殺菌できただけではなく、強力な次亜塩素酸塩の働きによってしばらくはカビが発生しにくい環境ができました。

その他の洗剤でお風呂の赤カビを落とす方法は?

重曹

お風呂の赤カビを落とすなら、弱酸性で水に溶けにくく研磨効果のある重曹を使うのもおすすめです。

重曹の粉が赤カビに付着するため、こすり洗いすることで汚れを絡め取って落とすことができます。

  • 手順①:赤カビが付着した部分に軽く水をかける
  • 手順②:赤カビが付着した部分に重曹を直接振りかける
  • 手順③:2,3分放置後、スポンジや歯ブラシ等で優しく磨く
  • 手順④:重曹をしっかりと洗い流す

天井や壁といった重曹の粉を振りかけられない部分については、水分を混ぜてペースト状にした重曹を塗ってから同様の方法を取りましょう。

お風呂の赤カビを抑えるための予防策とは?

ここまで赤カビにはカビキラーが有効ということをお伝えしてきましたが、毎日使うお風呂では何も対策せずにいると、あっという間に再び赤カビが発生していきます。

そこで、次にあげる方法で日頃から対策を行うことで、発生の頻度を抑えることができます。

誰でもできる、最後にお風呂に入った人が換気扇を回そう

赤カビの発生を抑えるための最もかんたんな方法は換気または乾燥です。

カビ菌は高温多湿の場所で繁殖していくため、お風呂場を最後に出る人が換気扇を回したり、浴室乾燥をして早めに浴室を乾かすことで繁殖を抑える効果があります。

お風呂の防カビ燻煙剤を定期的に使用する

お風呂専用の防カビ燻煙剤という商品があります。

これは煙の中に除菌作用のある銀イオンが含まれており、密閉されたお風呂場の中で効果的に予防を行えます。効果はしばらくの間持続するので、定期的に燻煙剤を使用することで赤カビの発生を抑えることができます。

【まとめ】お風呂の赤カビにはカビキラーを使って掃除する

お風呂の赤カビにはカビキラーを使うことで、カビキラーに含まれる次亜塩素酸塩が効果的に働くことをお伝えしてきました。

黒カビだけでなく、赤カビにも使うことができ、床をゴシゴシとブラシでこする必要もないのでとてもかんたんに掃除することができます。

ただし、次亜塩素酸塩は目に入ってしまうと失明する恐れがあったり、酸性の洗剤と混ぜて使ってしまうと有毒な塩素ガスを発生させるなど、取り扱いには気をつけなくてはいけません。

改めてこれまでの手順のおさらいをしてみましょう。

①カビキラー、目を守るためのゴーグル、マスク、手袋を準備する
②換気扇を回しながらカビキラーを赤カビだけではなくお風呂の床全体にスプレーする
③20分~30分ほど待ち、水酸化ナトリウムにカビの細胞壁を破壊させ、次亜塩素酸がカビ菌の内部に浸透していくようにする
④ブラシなどでこすらずに冷たい水で洗い流す。お湯を使うと湯気で嫌な匂いを運んでしまうため、冷たい水を使う
⑤汚れが残った部分にはブラシを使用する
⑥日頃からお風呂に入った後の換気や乾燥を心がけ、場合によってはお風呂の防カビ燻煙剤を定期的に使用し、赤カビの発生を予防する

手間をかけずにお風呂場ををきれいにするならプロに頼むのもアリ

お風呂場は毎日使うものなので定期的に掃除をしなければあっという間にカビだらけになってしまいます。

また今回は赤カビについて解説しましたが、放っておくと黒カビが発生し、かんたんには落とすことのできない汚れとなってしまいます。

お風呂場の掃除は床だけではなく、浴槽や鏡も掃除しなければならないのでやることが多いですし、掃除しなければいけないとわかっていても、毎回手間と時間をかけるのは大変ですよね。

そこで、お風呂場掃除のプロに頼るのも手段の一つです。

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お風呂場以外にもエアコンやトイレ、キッチンの掃除などをセットで依頼することも可能なので、ぜひ一度お試しください。

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