エアコンから花粉は入ってくる?エアコンをつけて鼻がムズムズした時の対策

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花粉の飛びやすい季節にエアコンをつけたらなんだか鼻がムズムズし始めた・・・「もしかしてエアコンから外の花粉が室内に入ってきているのでは」と疑ってしまいますよね。

実はエアコンに換気機能がついていなければ外の空気を入れることはなく、室内の空気を取り入れて温度の調節を行うため、花粉が侵入する原因はエアコンではありません。

花王株式会社 生活者研究センターが発表した2006年の「花粉の室内侵入・持込み量とその割合」研究資料によると、花粉の室内への侵入経路は約60%が窓を開けた時などの換気によるもの、約30%は洗濯物や布団を干した後についてくるもの、残りは外出から帰宅した際に衣服や髪の毛についたものとされています。

つまり、エアコンをつけたからといって外から花粉が入ってくる可能性はほとんどないと考えられます。

この記事では、なぜエアコンをつけると鼻がムズムズし始めるのか、その原因と予防・対策を紹介します。花粉症患者は年々増加傾向にあります。今、花粉症になっていなくても将来花粉症になる可能性を意識して、日頃から対策を心がけましょう。

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エアコンをつけると花粉症の症状が現れる原因

エアコンをつけた時に出る花粉症の症状の原因は、元々室内にあった花粉をエアコンの風が運んでしまうことにあると考えられます。花粉は空気よりも重く、ホコリに比べると外から侵入した花粉はあっという間に床に落ちていきます。

しかし、部屋の中で人が移動したり、風が吹いたり、衣服を出し入れしたりと、生活していると自然に花粉は部屋中に舞ってしまいます。そのため、エアコンをつけたら鼻がムズムズし始めた、というのはエアコンが外から花粉を運んできたのではなく、元々室内にあった花粉を風で舞い上がらせてしまっていることが主な原因と考えられます。

【注意】換気機能付きエアコンの場合
最近販売されている換気機能付きエアコンの場合は、外の空気を室内に取り込んで換気するため、花粉が入ってくる可能性があります。エアコンにはほこりや花粉を取り除くための集塵フィルターが付いているため、窓をそのまま開けて換気をするよりは花粉の侵入度合いは少ないと考えられますが、花粉症の方は気をつけましょう。

室内の花粉を掃除しないとエアコン内部に花粉が溜まることも

エアコンの仕組みは室内の空気を取り入れ、空気を循環させることで部屋を温めたり冷やしたりするため、部屋の中に花粉が溜まっていると、エアコンのフィルターにも花粉が溜まってしまいます。

フィルターに花粉やホコリが溜まると空気を取り込む力が低下し、室内温度の調整に負荷がかかるため電気代が増える原因にもなります。そのため、エアコンのフィルターは定期的に掃除をする必要があります。

エアコンの掃除はプロに頼むことで徹底的に掃除することも可能ですが、自分でできる日頃のお手入れによって花粉が溜まることを予防することができます。

エアコンのフィルターを掃除して花粉症を予防しよう

自分でエアコンのフィルターを掃除する方法を解説します。フィルターを掃除するための準備として、掃除中のホコリをキャッチするためのポリ袋や新聞紙を用意し、汚れがひどい場合には中性洗剤も使います。花粉症の症状がひどい方はマスクやメガネを着用しましょう。

また、掃除を始める前にエアコンのプラグを抜いて、電源を切っておきましょう。フィルター掃除は意外とかんたんですのでぜひ挑戦してみてください。

1エアコンの下にポリ袋や新聞紙を敷いておく

エアコンのフィルターを取り外す際に、エアコンのパネルを開ける必要がありますが、その時、内部に溜まったホコリや花粉が飛散する可能性があります。

エアコンの下にポリ袋をつけておくか、床に新聞紙を敷くことで部屋が汚れるのを防げます。掃除をし終わったあとにそのまま捨てればいいだけなので、後片付けが楽です。

2エアコンの前面パネルを開け、フィルターに掃除機をかけてから外す

エアコンの前面パネルは、両側面の下側にある出っ張りに指をかけ、手前に引き上げることで開けられます。誤ってパネルが閉じてしまわないように、パネルが止まる位置までしっかり持ち上げましょう。

次に、フィルターを外す前に、表面のホコリや花粉を軽く掃除機で吸っておくことで取り外した時に花粉が飛散するのを防ぐことができます。フィルターにこびりついたホコリは水洗いで落とすことができますので、無理に吸い取る必要はありません。

軽くホコリを吸い取ったところで、フィルターをエアコンから取り外します。フィルターは手前に引っ張ることで外れます。強引に引っ張ると破損する恐れもあるため、気をつけてください。また、上を向いて作業をするためバランスを崩さないよう、足場にも十分気をつけましょう。

3フィルターを水洗いする

フィルターを取り外したところでもう一度掃除機でホコリを吸い取ります。この時、吸い取る面はホコリが付着している表面から掃除機をあてることで、効率よく吸い取ることができます。そして残ったホコリや油汚れについては水洗いで落としましょう。

掃除機で吸い取るときと異なり、裏面から水(ぬるま湯)をかけていきましょう。注意するべきこととして、勢いよくシャワーなどをかけてしまうとフィルターが破損してしまうため、やさしく洗い流しましょう。

臭いが気になる場合や、あまりにも汚い場合はバケツなどに中性洗剤をぬるま湯で溶かし、その中に少し浸け置きしておくといいでしょう。また、歯ブラシやスポンジなどやさしい素材で掃除すると隅々まできれいにすることができます。

4しっかり乾燥させてからもとに戻す

水洗いしたフィルターはしっかり水気を切って乾燥させてから戻してください。水気がある状態で戻してしまうと、そこからエアコン内部にカビを発生させてしまったり、水が入って故障する可能性もあります。風通しの良い、日陰でしっかり乾燥させてからもとに戻しましょう。

これでエアコンのフィルター掃除は完了です。フィルターの花粉やホコリを取り除いても、室内に入り込んだ花粉はエアコンの掃除だけでは取り除けません。

そのため、床に溜まってしまった花粉の掃除や、換気の際の注意点、洗濯物に付着する花粉など、その他の予防も必要となります。

日頃からできる花粉症対策

エアコンフィルターの掃除以外にできる日頃からできる花粉症対策として、5つの対策をご紹介します。

【対策①】換気する時間帯を意識して花粉が入り込むのを抑える

実は花粉は1日中均一に漂っているのではなく、時間帯によって飛散量が変わります。花粉は朝の10時頃までが少なく、11時〜14時の気温が上昇する時間帯はよく飛び、15〜19時にかけては気温の低下とともに地上に落下していきます。

そのため、なるべく朝と夜に網戸をした状態で換気を心がけることで、花粉が室内に侵入する量を最低限に抑えることができます。

【対策②】花粉がひどい時期は部屋干しや布団乾燥機を使う

朝の時間帯は花粉の量が少ないため、洗濯物を干す時間も午前中は外に干し、お昼前に部屋干しに移すことも一つの方法です。しかし、布団は午前中の短い時間だけでは十分にカビの予防やダニをはらうことができないため、花粉のシーズンは布団乾燥機を使って室内で乾燥させることがおすすめです。外に干した場合は室内に取り込む前によく花粉をはらうことが重要です。

【対策③】外出から帰宅した時は玄関先で花粉をはらう

日中外出していると気づかないうちに髪の毛や服の繊維に花粉が付着します。外から家の中に花粉を持ち込まないために、帰宅した時には玄関先で花粉をはらってから家に入るよう心がけましょう。

また、すぐに洗面所で手洗い・うがい、洗顔などをすることも効果的です。鼻水や目のかゆみの症状がある場合は、鼻うがいや目の洗浄もおすすめです。帰宅後、できるだけ早くお風呂に入って体に付いた花粉をシャワーで洗い流すのもいいでしょう。

【対策④】床の掃除を頻繁に行う

花粉対策をしていても、完全に花粉を室内に入れないようにするのは正直難しいと考えられます。室内に入った花粉は空気より重いため、時間をかけて床に落ちていきます。そのため、花粉の季節は頻繁に掃除機をかけたり、水拭きするようにしましょう。

【対策⑤】空気清浄機を使って室内の花粉を取り除く

空気清浄機は、花粉をフィルターで取り除き、部屋の空気をきれいに保つことに効果を発揮します。空気清浄機を選ぶポイントは「適用床面積」が大きいものを選ぶことです。適用床面積が大きいほど、短い時間で部屋の空気をきれいにすることができます。また、フィルターの寿命もなるべく長い機種を選んだほうがより経済的です。

空気清浄機を使った花粉対策

空気清浄機を使って室内の花粉を取り除く場合、設置方法に気をつけることで、より効率的に花粉対策ができます。

空気清浄機の周辺に障害物を置かない

空気清浄機の前面や背面など、吸込口と吹出口がついている部分の周りに荷物や椅子などの障害物があると空気を吸い込む効率が悪くなってしまいます。空気清浄機の周辺には常にスペースを空けておきましょう。

エアコンの対角線に空気清浄機を設置する

エアコンと空気清浄機を同時に使用する場合、お互いに対角線になる位置に空気清浄機を設置しましょう。設置位置を工夫することで、エアコンの空気の流れによって運ばれてきた花粉を効率的に吸い取ることができます。

また、空気清浄機が出したきれいな空気を今度はエアコンが吸い取って室内の温度を調整するため、部屋の中の空気が循環してどんどんきれいになります。

設置場所の注意点は、部屋の中心に空気清浄機を置いてしまうことです。部屋中の花粉を吸いこもうと考えて、部屋の真ん中に空気清浄機を設置してしまうと、空気の循環が悪くなり、洗浄効果が下がってしまいます。そのため、空気清浄機はエアコンと対角線になるように、部屋の端に置いて効率よく空気をきれいにしましょう。

なお、花粉症がひどい方は空気清浄機を24時間運転しておくことがベストです。空気清浄機は短時間では花粉を完全に取り除くことは難しく、また、人が室内を移動することで空気の流れも変わるため、人のいない間や寝ている間にも動かしておくことで、より室内の空気をキレイにすることができます。

【まとめ】エアコンを使っても花粉は室内に入らないが、フィルターはこまめに掃除しよう

換気機能のないエアコンを運転しても、外の空気を室内に取り込むわけではないため室外から直接花粉は入ってきません。しかし、換気をするために窓を開けた時や、洗濯物を室内に取り込んだ時、外出先から帰宅した時などあらゆる場面において花粉は部屋の中に侵入します。

部屋に入った花粉はやがて床に溜まり、エアコンを運転したり、人が移動することで舞い上がり、その空気をエアコンが吸い込むことで、エアコンのフィルターに花粉が溜まってしまいます。そのため、エアコンのフィルターをこまめに掃除することが花粉症対策につながります。

エアコンのフィルター掃除以外の花粉症対策をまとめると次のとおりです。

  • 花粉は時間帯によって飛ぶ量が違い、朝10時ごろまでと、夜を中心に換気を行うのが良い。
  • 洗濯物を干すのも朝10時までにして、以降は室内干しに切り替える。布団は長時間乾燥しないとカビやダニが現れるため、花粉シーズンは布団乾燥機を使う。
  • 外出から帰宅したときは玄関先で花粉をはらう。家に入ってすぐに手洗いうがい、洗顔、またはシャワーを浴びる。
  • 花粉は空気より重く、床に溜まるため頻繁に掃除機がけや水拭きをする。
  • 空気清浄機を24時間運転する。空気清浄機は、エアコンと対角線上の部屋の隅に配置すると空気の循環を利用できて効率がいい。
  • 花粉症にかかる人は年々増加傾向にあり、最近は病院にかかることで薬を処方してもらい、症状を和らげる方も少なくありません。エアコン掃除をはじめ、自分でできる花粉対策を心がけることで、毎年の花粉シーズンの負担を軽減していきましょう。

エアコンの掃除を徹底的にするならプロに頼むがおすすめ

自分でできるエアコンのフィルター掃除の方法を紹介しましたが、エアコンは年に1回を目安に定期的にプロに掃除を任せて徹底的にきれいにするのがおすすめです。

運転の頻度が多いと内部にはホコリが溜まりカビや臭いの原因に繋がります。フィルター掃除は自分でも手軽にできますが、フィルターの奥など手の届かない場所まで掃除するのであればプロの専門業者に直接依頼することで、高圧洗浄機を使って汚れを洗い流すことができます。

「おうちにプロ」ではプロのエアコンクリーニング業者を口コミと価格で比較してネットで予約できるサービスです。豊富な口コミから選ぶことができるので、自宅近くの信頼できる業者を探すことができます。

エアコン以外にもお風呂や換気扇、水回りクリーニングを依頼することも可能なので、ぜひ一度お試しください。

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